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「Aが好きなのはさとみくんだよ?」


当たり前のように、恥ずかしげもなく繰り出されたその言葉は、体温を急上昇させた。
ストレートな言葉には滅法弱い。
暗くなってもわかるくらい顔が赤くなっていたようで、ゲラゲラと笑う莉犬を殴り飛ばしたくなったが、Aちゃんの手前、やめておいた。
俺の顔が赤くなったせいで自覚したのか、徐々にAちゃんの顔も赤くなっていく。
握られた手には力が入っていて、恥ずかしそうにるぅとの方に顔を逸らした。

前言撤回。

離されなかった手を引き寄せて、離れた距離を積める。


「うわぁっ!」


酔っているせいでまだおぼつかない足取りは、簡単に俺の方へ倒れ込んでくれる。
彼女は離さなかったのだろうが、空気を読んだるぅとが手を離してくれれば、するりと二人の距離は離される。


「さと…み…くっ」


言葉の途中で、みんなに見せつけるように唇を重ねる。
これは、これだけは俺の特権だから。

Aちゃんが思考停止している間のほんの2〜3秒。
恥ずかしさを隠すように俺の手を振り解き、ジェルにタックルをかますように飛びついて隠れていった。
離れたその距離でも、その反応に満足だ。


「うぅ〜!さとみくんのばかっ!酔ってるでしょ!?」


驚きのせいなのか、先ほどまでとは違って、いつも通り、くらいの声の大きさ。
少し離れた距離でも届く声。


さ「残念ながら誰かさんがたくさん飲むから俺はそんなに飲んでませんー。」

「うぅ〜…なーくん!!」

な「うーん…いまのはAちゃんが悪い…かな?」


謎に俺の肩を持つなーくんに不満そうに口を尖らす。
人前で、ましてやメンバーの前で、なんて普段の俺ならしない。
それでもそうしたくなるくらい、俺だけ"トクベツ"でいたいのだ。


さ「ほら、ごめんって。おいで。」


両手を広げれば、必ずここに戻ってきてくれる。


「もう…ばかっ。」


そう言いながらもトサリと預けられた体。
表情は安心しきっていた。
その様子に満足して抱きしめた。

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作品ジャンル:恋愛
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唯凛(プロフ) - 友達に腹黒ドSサイコパスと言われた…さん» コメントありがとうございます!こんな拙い文章でも読んでいただけるだけで嬉しいのに、好きなんてめちゃめちゃ嬉しいです…!ちまちまと書いていきますので、これからも読んでいただけますと幸いです(^^) (2022年2月2日 20時) (レス) id: 1a2f301bb5 (このIDを非表示/違反報告)
友達に腹黒ドSサイコパスと言われた… - こんにちは!更新されてる!大好き過ぎて…いや、『愛してる』って告白したいくらいこの作品好きで、毎日のように確認してました!グヘ、グヘへ〃´∀`〃((殴⊂`д´⊂これからも応援してます!!更新ゆっくりで大丈夫なので頑張ってください! (2022年1月31日 23時) (レス) @page47 id: 95427cdf5c (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - らいか。さん» コメントありがとうございます!無駄に長くなっているのに見返していただけてるなんて…!!まだまだ続きますが、読んでいただけたら幸いです。楽しんでいただけるものを書けるように頑張ります!! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 7d79fc65fd (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - ぽわさん» コメントありがとうございます!大好きなんて言っていただけてとっても嬉しいです!読んでいただけるだけでも嬉しいのに、コメントいただけて本当嬉しいです。励みになります!かなりのんびり更新になっておりますが、これからも読んでいただけたらとても嬉しいです! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 7d79fc65fd (このIDを非表示/違反報告)
らいか。 - こんにちは!この話大好きです!更新ないときも今までの見返してずっと待ってますね!これからもよろしくお願いします!頑張ってくださーい! (2022年1月23日 7時) (レス) @page45 id: 843b3dd826 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年11月2日 6時

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