親代りがゆごじぇな件について

# ページ6

「じゃ、ご飯できたから、並べるの手伝って」



「え、まってこーち。この子誰？」



「えっとぉ、なんでジェシーさんが？」



「え？」



「は？」



こちとら頭の中ハテナで埋め尽くされているのに、空気を読んでいるのかいないのか、間延びした声で彼は配膳しだした



「あれ？説明してなかったっけ？



まぁいいや。食べながら説明するよ」



割と大切なことな気がするんだが。そんなゆるっと話していいものなのか？



こうして、世にも奇妙なディナータイムが始まったのであった




適当に作ると言った割にはめちゃくちゃ豪華なご飯を前にして、彼の口から衝撃の事実が告げられた



「俺とジェシーは一緒に住んでるんだよ



だからこれからしばらくは3人暮らしだね



ジェシー、こちら親戚のAちゃん。しばらく預かることになったから



ま、今日から俺らが親代りみたいなもんだから」



「「ええ……？」」



牛タンをもそもそと食べながらあまりにもさらりと告げるもんだから空いた口を閉じるタイミングを逃してしまった



隣でも同じように大口を開けたジェシーがぽかんとしたまま牛タンを頬張った



同じように私もタンに箸を伸ばして口に入れる



……うんま



料理上手系アイドルか。ニクイな



ただまぁ、驚きはしたが腑に落ちてもいる



一人暮らしな感じがしなかったのはそもそも二人暮らしだったからで



やたら広い家も使用感溢れる家具もジェシーがいたからだと考えると合点がいった



……ん？だとすると



「もしかして、今私が使ってる家具ってジェシーさんのだったりします……？」



「ああ、うん」



「えええ！？？！？こーち俺のベッド渡しちゃったの！？」



「うん。使えるのそれしかなかったし」



今まで放心状態で言葉を発さなかったジェシーが突然叫んだもんだから危うく椅子から転げ落ちるところだった



てか、私はジェシーが使ってた古いやつだと思って言ったのだけれども



今の言い草だともしかして現在進行形で使ってるやつ私がぶんどった感じ？



えええ？



「え！？じゃあ俺今日からどこで寝ればいいのさ！？」



「……床？」



「ええ！？？！？あぁんまりだよぉ〜こぉちぃ〜」



「……ブフッ」



あの巨体がオーバーリアクション気味によろよろとしゃがみこんでめそめそしだすもんだから思わず吹き出してしまった



ジェシーは私がツボっているのを見ると満足そうににまっと笑った

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