8 自覚 ページ8
zm「Aな、何かこの牛と森に居てん。行くとこも無いやろし、とりあえずうちで面倒見たろかと思って」
ゾムさんの言葉に成る程、と頷いたロボロさんが、私に話し掛けてくる。
rb「あんさん、制服使いとか珍しい子やな」
『そうですか？』
rb「能力持ちって事は、
まじまじと私を見つめるロボロさん。私は何となく微妙な気持ちになって、そろそろとゾムさんの背後に隠れた。
zm「怖がられとるやん」
rb「ええ何でぇ！？どっちかって言うとゾムの方が怖い人やろ！」
zm「俺頼られとるも〜ん」
ニヤリとして言ったゾムさんに憤慨して頬をリスのように膨らませたロボロさんは、ゾムさんの正面からぴょこんと私を覗き込んで来た。
rb「動物と話せるの、転生能力やろ？俺も能力持っとんねん。…腹減ったやろ？おいで」
『へ…』
きょとんとして気の抜けた声を出すと、ゾムさんがそっと私の手を引く。
zm「飯や、飯！ちょうど昼飯の時間やし、皆居るんやろ？」
rb「せや？だからゾム、ちゃんと責任持って説明せなあかんで」
zm「へーい」
仔牛を柵の中に追いやってから、ロボロさんは建物の方へと歩いて行く。私もゾムさんに連れられ、仔牛に手を振って着いて行った。花壇に植わった薔薇が、私に笑い掛けてくる。
＜あら、可愛い子が来たわね。華があって良いじゃない、むさ苦しい男所帯にさ＞
『うぅん、お花が辛辣…』
もう牛とも馬とも話せるのだ。今更驚く私ではない。薔薇のキツい感想に相槌を打てば、ロボロさんが興味深げに振り向く。
rb「なかなかユニークなスキル持っとるな。植物もいけるんか」
成る程。私は一人合点して頷き言った。
『へぇ……これが俗に言う転生ってヤツですか』
漸く自覚が出てきたぞ。今頃日本では、私は死んだ筈なのに死体までもが忽然と消え失せた失踪者扱いになっているだろう。
rb「…え、お前したこと無いん？転生」
『…いや、ありませんけど！？』
ロボロさんがポロリと溢した言葉に仰天する。何なんだよ、まるで何度もしたことあるのが常識みたいな空気は。
rb「そうか…俺らは、なぁ？」
ロボロさんがちらっとゾムさんを見上げる。ゾムさんは事も無げに言いきった。
zm「俺らはもう6回くらい、記憶持ったまんま生まれ変わっとる。Aは違うん？」
『初めてですね』
普通そんなに輪廻の記憶持ってない。しきりに首を捻りつつ、ロボロさんは家の扉を開けた。
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ねこ娘(プロフ) - 初めまして！本当にマイクラの世界で生活してるみたいでドキドキしちゃいました！マイクラの世界って何も知らずに入り込んでしまったらこんな感じなんだろうな、、すごい新鮮で読んでて楽しかったです！tnのお兄ちゃん感もめっちゃ好きでした笑完結お疲れ様でした！ (2021年2月2日 20時) (
レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好きなお話だったので、完結が少し寂しく思ったりもします…次のお話、楽しみにしてます！ (2021年2月2日 9時) (レス) id: 1755ed01f2 (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。完結おめでとうございます!!とても面白かったです!!新作楽しみにしてます。 (2021年1月31日 23時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - Aliceさん» 解りづらい表現だった事をお詫びします。本文に説明を付け足させていただきます…！ (2021年1月31日 15時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - Aliceさん» ご指摘ありがとうございます！私の記憶が正しければ、倫理用語として使う時には「りんねてんしょう」と読むのが正しかったかと思います。どちらの読みも有り得る言葉ですが、宗教的な話がしたかったのであえて「てんしょう」をチョイスさせていただきました。 (2021年1月31日 15時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月19日 18時
