27 甘えたがり ページ27
zm「…なぁA」
『うわっ！？…何？』
ろぼくんと一緒にキッチンで夕飯を作っていると、野菜採りに出掛けていた筈の希くんがにゅっと脇から飛び出してきた。
zm「構ってぇや……」
言うなり、希くんは調理の手を止めない私の後ろからそっと抱きついてくる。
『ちょちょちょ、希くん！？今私包丁持ってるから！！危ないって！』
zm「Aむっちゃええ匂いする」
『希くんさては聞いてないね？』
帰って来たばかりなのだろう、私の肩にすり寄って鼻を埋める希くんからは、日暮れ前のもったりとした風の匂いがした。
rb「ゾム、そんくらいにしとかんとまたトントンに怒られんで」
zm「ええも〜ん、今が幸せやから我慢出来るし」
rb「いや…まあお前がええなら俺も何も言わんけど。Aちゃんも邪魔やったらちゃんと伝えるんやで」
『平気だよ。むしろ懐かしいくらい』
小さい頃は、希くんは良く椅子に座る私にこうやってハグをしていた。兄が中学で出来た新しい友達を家に連れてくるようになってからは、希くんやろぼくんたちと遊ぶ事も無くなったから……実に小学4年生以来くらいだ。
rb「懐かしいってお前…当時ですら俺ら中高生やろ？一歩間違えれば犯罪やで」
zm「別にやましい事しとらんやん」
rb「そう言う問題や無いわ」
口を尖らせながら鍋を火に焚べたろぼくんがため息をついて言う。
『ん…？ろぼくんも一緒にぎゅーする？』
rb「んなっ！？」
『ふははっ、冗談だよ。ろぼくんのご飯準備の邪魔は出来ないから』
顔を真っ赤にして言葉を失うろぼくんを見てクスクス笑えば、「大人をからかうんじゃありません！」と頭を叩かれた。
rb「もう…女の子が軽々しくそんな事言ったらアカンよぉ？」
『兄ちゃんが居るから大丈夫』
rb「…こらぁ！天然タラシは一番タチ悪いんやぞ！！」
『あでっ』
ろぼくんは私の額をお玉で小突く。それちゃんと洗えよ？まだ風呂も入ってないんだし。
zm「……A〜俺にも構えやぁ…何でその童貞の相手して俺は放置なん？」
『だって今下手に動いたら希くんに怪我させちゃうじゃん。終わるまで待ってよ』
zm「いーーやーーやーーー！」
『…希くん、大人でしょ。あんまり我儘言ったら今日の晩飯おかず抜くよ？』
zm「離れます仕度手伝います」
『よろしい』
希くんは甘えたさんだけど、家事の出来る万能お兄さんでもある。頼れるよね。
kn「…仲良しやな」
調理をする私たちの姿を遠くから見て、孝行くんが微笑んでいた。
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ねこ娘(プロフ) - 初めまして！本当にマイクラの世界で生活してるみたいでドキドキしちゃいました！マイクラの世界って何も知らずに入り込んでしまったらこんな感じなんだろうな、、すごい新鮮で読んでて楽しかったです！tnのお兄ちゃん感もめっちゃ好きでした笑完結お疲れ様でした！ (2021年2月2日 20時) (
レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好きなお話だったので、完結が少し寂しく思ったりもします…次のお話、楽しみにしてます！ (2021年2月2日 9時) (レス) id: 1755ed01f2 (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。完結おめでとうございます!!とても面白かったです!!新作楽しみにしてます。 (2021年1月31日 23時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - Aliceさん» 解りづらい表現だった事をお詫びします。本文に説明を付け足させていただきます…！ (2021年1月31日 15時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - Aliceさん» ご指摘ありがとうございます！私の記憶が正しければ、倫理用語として使う時には「りんねてんしょう」と読むのが正しかったかと思います。どちらの読みも有り得る言葉ですが、宗教的な話がしたかったのであえて「てんしょう」をチョイスさせていただきました。 (2021年1月31日 15時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月19日 18時
