【wrwrd!】俺の青春に不可侵条約結んでクレメンス

10 書記長に眠りを！ ページ21

▽.




少し硬めの枕に時計の秒針にしては不規則なカチカチという音。

いつもと違う違和感を感じるが、なんだか安心感のある温かさが心地良い...。








『何この状況..目の前に股間..いとおかし』


「それだと俺の股間がすごく趣があるって意味になるんやけどなぁ」




寝ぼけた頭に響く聞き慣れた声にうっすら目を開けば、ポップなデザインの豚の絵が目に入る。起きたか？とその豚が話しかけきたようなのでまだ俺は夢を見ているのだと思ったが、どうも声の主は違ったらしい。
俺をのぞき込むようにして朝の挨拶をするのは豚は豚と言っても、愛称が“トントン”という名の人間だった。俺はどうやらこのトン氏の太股を枕代わりに寝ていたらしい。まぁ世間で言う膝枕というやつだ。




『ごめん...何がどうしてこうなったのか全く覚えてないんだけど素晴らしい寝心地ではあった。あとなんだろう...すごくトン氏の...趣があるね』



「お前、古典用語ミスったこと隠ぺいすんなよwそれともお前も俺を童貞扱いしとるんか？おん？」





とりあえず体を起こして色々と謝れば、ええよ別にと笑って許してくれた。さすが大天使と呼ばれるだけある。

ちなみに彼はHoiをやっていたようでカチカチという音はマウスのクリック音だったようだ。画面はトン氏カラーの赤に染まっていて、世界が一つになろうとしていた。怖っ。





『こんな可愛い服着て戦争してるとかシュールすぎる...なに？Hoiソロプレイ？』



「やっぱグルさんと戦うにはそれなりに練習しとかんとあかんし...あ。ちなみにこの服もグルさんセレクトやで。買わなければいけない気がしたらしい。ほんまあの人何考えとんのやろw...あと昨日言っとった編集のことやけどな?お前寝とったしこれひと段落したら教えてやるからちょい待ってな」



『有能かよ』



「別にそこまでやないで。他がやらん奴らやからそう見えるだけやろ...Aもあいつらみたく動画滞納せんように今のうちに全部教育したるから安心せぇ」



『はい...』





ここ数日の間、本格的にメンバーになり今までなかった仕事が増えそこを教えてもらうべくトン氏宅にお邪魔している。本当に有能。
トン氏によると昨日は編集作業を教えている途中で俺が爆睡したらしく起こそうと思ったけど明日のわれしゃべも俺らだったからそのまま泊まらせたそうだ。




『俺にずっと膝枕してくれてたってこと?』


「いい眠気覚ましやったわ」





え。トン氏いつ寝てんの(震え声)

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