81松 ページ30
――――…
――…
「(………あれ、結局うまく逃げられただけじゃね?)」
一悶着あった後日にようやく気が付いた。
Aの嫌い言葉攻撃によって暫く思考回路がぶっ壊れてしまったせいだ。
あの攻撃の後の記憶がほぼ無いし、気付いたら家に帰っててAに凄く心配そうな顔をされていた事だけは覚えている。
改めて考えると、普通空腹だけであんな風に取り乱したりするものだろうか?震えていたし。何かに怯えてるような雰囲気だったと思うし。
また問い詰めてみようかと考えたけど、多分あれはテコでも口を割らないだろうと思い断念。
でも諦めた訳じゃない。
本人から聞く事が重要な訳ではなく、俺はAのあの反応の原因を知る事が出来ればそれでいいのだ。
「A、散歩行ってくるー」
「はーい。いってらっしゃい」
という訳で、今から山中の爺さんのとこに聞き込みに向かう事にした。
あの人とAは随分前からの知り合いみたいだし、もしかしたら何かしらの事情を知っているかもしれない。
昨日と違って今日は雨は降っていない。でも快晴って訳でもなく、八割曇りで残り二割が晴れみたいな、なんとも中途半端な天気だった。
……中途半端な気持ちでいる俺みたいだ。
「……すいませーん、山中さんいますかー?」
「はーい!」
山中邸に着いて声を掛ければ返ってきたのは幼女の声。
数秒後、トタトタという足音と共に出てきたのはレナちゃんだった。
「あ!おじちゃんこんにちは!あそびにきたの?」
「あーいや、遊びに来たんじゃないんだよね」
あと俺はまだおじちゃんって呼ばれる年じゃねぇ。
爺さんに用事があると伝えれば、今は畑仕事をしているとの事でレナちゃんがそこまで案内してくれた。
畑っていうんだからすぐに見つけられると思ってたんだけど、俺が想像してた畑とは規模がすんごい違ってた。ビニールハウスがいくつかあったり、自分の背丈より遥かに上をいくとうもろこし畑があったり。
…………なんつーか、とにかく人を見つけにくい畑が広がっていた。
「おじーちゃーん!どこー!」
「なんじゃー?」
「ヴボァッ!?」
と思ってたらとうもろこし畑からヌボっと顔を出してきた。心臓に悪い…。
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渚(プロフ) - 月花さん» 返信が遅れてしまいすみません。1でもコメントしたのですが、Azpainter2というPCソフトを使っています (2020年2月3日 20時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 絵上手いですね。どうやってらんですか? (2020年2月3日 19時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» ご要望にお応え出来ず申し訳ございません…。今後ともよろしくお願いいたします。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: d823623ddd (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - すいません;最新頑張って下さいね。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» えっと、それは短編小説のリクエストでしょうか?それですと申し訳ないのですが、小説のリクエストは受け付けておりませんので…。 (2018年9月4日 18時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2018年1月14日 17時