『怪談2』 ページ12
「はいじゃあ次は一松さんの番ですよ」
「えー…、んーとねー」
さて、どうしたもんかと頭を捻る。
俺もそこそこ突飛な経験をしてきた方だとは思うけど、それはほとんどギャグで始まってギャグで終わるような出来事ばかりだ。Aのような恐怖体験はあまり無い。
…………いや、あるか。チビ太の復讐。
俺は初っぱなから殺られたからよく知らないけど、後に兄弟から大体の話は聞いたから語れるっちゃあ語れる。何故か十四松だけ話してくれなかったけど。
あれはどっかのホラゲとかにありがちな展開っぽいし、話の種にはなるかもしれない。
……あ、でもあのオチは話すのはヤバイな。髪を全部削がれて全裸で辛子漬けにされるとか…。
うん、じゃあ同じ感じの追われる系の話を適当にするか。
ゴホンと咳払いを一つ。
「これは俺がまだこっちに来る前に聞いた話なんだけどね、田舎の町に一人旅に来ていた男がいて、その日は田舎ならではの名所的な所を見て回ってたんだって。で、その途中の森の小道みたいなとこを歩いていたら地蔵菩薩が立ってるのを見つけたのね」
「ふむふむ」
「でもその地蔵菩薩にはね、首が無かったんだよ。首無し地蔵ってやつ。男は最初そんなに気にしないでそのままスルーしようとしてたんだけど、通り過ぎようとした次の瞬間激しい耳鳴りに襲われたの。そんでその耳鳴りの中で声が聞こえてきたんだって。どんな言葉かは小さすぎて分からなかったらしいんだけど、気味悪く思った男は耳を押さえながら急ぎ足でその場を後にしたんだって」
「…」
「その後は人里離れた旅館に泊まったんだけど、そこの女将に首なし地蔵の話をしたら血相を変えて、『今夜は部屋から出るな、出たら地蔵に首を取られるぞ』って言われたんだって。詳しい事を聞こうとしたんだけど、女将はすぐに男の部屋を後にしてどっかに行っちゃって、流石に怖くなって男は布団の中に潜って固まってたんだって。でもそんな話されちゃあ眠れるわけがないよね。ずっと震えっぱなしで一睡もできなくて、気付いたら夜中の二時を回ってて…、で、そんな時間にだよ?部屋の外からなんかの音が聞こえてきたんだよ。廊下の床板がギシギシ鳴る音と、何かを引き摺るような音が」
「……」
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渚(プロフ) - 月花さん» 返信が遅れてしまいすみません。1でもコメントしたのですが、Azpainter2というPCソフトを使っています (2020年2月3日 20時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 絵上手いですね。どうやってらんですか? (2020年2月3日 19時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» ご要望にお応え出来ず申し訳ございません…。今後ともよろしくお願いいたします。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: d823623ddd (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - すいません;最新頑張って下さいね。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» えっと、それは短編小説のリクエストでしょうか?それですと申し訳ないのですが、小説のリクエストは受け付けておりませんので…。 (2018年9月4日 18時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2018年1月14日 17時