12杯目 ページ13
有「ただいま〜」
玄関のドアを開けると
ほっぺをプクッとふくらませ待ち構える伊野ちゃんの姿
伊「大ちゃん遅い、何やってたんですかー?」
有「えと、友達にコンビニで奢らされてました...」
伊「なんで?大ちゃんなんかしたの?」
有「...文化祭の出し物、俺がなんでもいーよって言ったら
最悪な出し物になっちゃったから」
そう応えるとふーんっいった感じで
階段を昇ってっちゃった
伊「まっ、いーや。
俺もその文化祭の出し物見に行ってあげる!」
有「い、伊野ちゃん、それだけはマジ勘弁して!!」
伊「そんな嫌がるってことは相当嫌な奴か笑
大ちゃんママに文化祭の日と
大ちゃんのクラス聞いとこー!
あ、大ちゃんはやく!
受験日は待ってくれないよ!!」
有「うん、」
伊野ちゃん、見にくるんだ、
嬉しいような、嬉しくないような、
なんか複雑な気持ち
伊「じゃあ今日はここからね!
これは一昨日の復習問題、こっちは応用ね
一旦解いてみて?
こっちは複雑に見えるけど
一個一個順番に解いていけば
大ちゃんなら解けると思うよ!」
有「分かった、」
復習問題は少しだけ苦戦したけどなんとか解けた
後ろからはなかなかやるじゃん!
なーんて軽快な声
けど、応用問題はかなり複雑で
今の俺の心の中みたい
有「ねぇ、伊野ちゃん」
伊「どうした?わかんなくなっちゃった?」
有「伊野ちゃんってさ、兄弟とかいるの?」
伊「んーん、いないよ?俺一人っ子だもん」
有「そっか、違う、か」
一個一個順番に解いていけば解ける
なら俺もこの難しい問題をときたい
伊「大ちゃん、なんかあったでしょ?
頭の中ごっちゃごちゃなんじゃない?
そのことを必死に考えてて
今日奢る羽目になったとか」
有「伊野ちゃんにはバレバレだね、
なんでそんなすぐ俺のことわかるの?
ずるいよ、俺、
全然伊野ちゃんのことわかんないのに」
少しずつ俺の目に涙が溜まってくのがわかった
伊野ちゃんの前では泣きたくないのに
強い男でいたいのに
伊「俺だって、わかんないよ?大ちゃんのこと
けど大ちゃん、よく顔に出るから
分かりそうなのに分からなくて
ちょっと悔しいんだ、」
少し切なそうに微笑む伊野ちゃんの姿が
どんどんぼやけてゆく
伊「だから泣かないで?
案外俺たち似たもの同士なのかも」
そういい、伊野ちゃんはそっと俺を抱きしめた
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作者名:ゆう | 作成日時:2019年11月4日 21時