従兄妹がまふまふとか聞いてない【mfmf】

聞いてない２ ページ3

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“ パパがイタリアに長期赴任することになったの ”

そう満面の笑みのママから伝えられたのは夏休みに入ってすぐのこと。





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「ママはイタリアにはおじいちゃんおばあちゃんも丁度いるしパパに着いていこうと思ってるんだけど、Aはどうする？」

『いや、どうする？ って、私が行かないって言ったら私行かなくていいの？』

「うん」

『うん！！？』





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“ うん ”！？
え、この家に娘一人！？ 嘘でしょ！！？

突然現れた一人暮らしという選択肢に戸惑いが隠せない。絶対危ないじゃん。やだよそんなの。





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「あ、その場合は、真冬くんが預かってくれることになってるの」

『…………なんでまふくん！！？』





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だってもう一方のおじいちゃんおばあちゃんは関西でしょ？ ママに兄弟はいないから他に頼れる相手って言えば幸政おじさん(パパのお兄さん)だけど、関西に住んでるじゃない。ってなったときに、幸政おじさんが上の子は子供が産まれたばっかだから難しいけど下のは一人暮らしだしAちゃんの面倒見れるくらいの金はあるからどうだ？って言ってくれたのよ。



そう若干早口に預け先が我が従兄弟である真冬くん、もといまふくんに至った理由を説明された。うん、半分以上聞き流した。


それにしてももう何年と……下手したら10年近く会ってないのに。親切な男だまふくん。





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「で、一緒に来る？ 残る？」

『…………』





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なんか、頭痛くなってきたな………。





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「じっくり考えてって言いたいところではあるんだけどね、やらなきゃいけないこととかもいろいろあるし、なるべく早めに答えが欲しいの。ごめんね………」

『…………の、残る。残りたい』





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不安要素大ありではあるけど今は友達にもすごく恵まれてすごくいい学校生活を送れている。それを手放すのは惜しすぎる。なにより英語できない。イタリアって何語話すんだっけ。英語じゃない？ あれ、イタリア語ってあったっけ……？


とにかく、せめて卒業までは日本にいたい。



そうつたえると、ママはやっぱりと笑い出す。





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「そう言うと思った、笑」




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