［短編集］夢の国デートってよくないですか【歌い手】

アメリカンウォーターフロント【amtk】 ページ1

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無我夢中で紐を引く。腕の感覚が無くなってきたけどそんなこと言ってられないほど隣に座る天月くんと一緒に楽しんだ。




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『どう？ 123000点！！ って、なにこれ。モ、モグラ？』

「バービーでしょ」

『え、176500点！！？』

「いえーい」

『今回は頑張ったと思ったのにな〜』

「いつもよりは得点高いんじゃない？」

『なんでそんなに上手なのぉ………』



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おもちゃたちと一緒にシューティングゲームを楽しもうというコンセプトのアトラクション。こういう類のゲームが得意ではない私にしては頑張ったと思ったけど、到底及ばないみたい。




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「楽しかったね〜」

『まだちょっと手痛いよ？笑』

「じゃあ、次はのんびりなアトラクションにしよっか」

『あ、カメとお話しできるの行きたい！！』

「おぉ！！ いいじゃん！」





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２人で楽しめるようにと考えてくれるところとか、さりげなく荷物を持ってくれているところとか、さらっと手を繋いでくれるところとか。
まだ入園して少ししか経っていないのにどんどん好きだなって思うところが増えていく。


そんな天月くんを見てかっこいいと指をさす女性たちが増えていくのはちょっとあれだけど…………





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「奥まで進んでください」

「ありがとうございます」

「い、いってらっしゃいっ……」




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船の入り口に立っているキャストさんに彼が微笑めば顔が少し赤くなる。そりゃそうだよね、こんなにかっこいいんだもん。





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「ん？ どしたのー？」

『……なんでもないよ。ほら、はやく進もう？』

「…………」




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彼女は私だもんと思っちゃう自分が少し嫌になる。こんな私で釣り合えてるのかな…………。

そんな感じでもんもんとしていると、どんどん奥に進んでいってしまい、トークタイムがスタートする。





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《お、話したい人見つけちゃったんだけど…………》

「どこどこ〜？」

《右の奥のブロックの》

「右の〜？」

《前から３列目にいる〜………》




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まずはあっちが指名してくるらしい。
右の奥のブロックの３列目…………。あれ、近い……？




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「ここの列じゃない？」

『あ、ほんとだ。どんぴしゃだね』

「Aだったり？」

『まさか笑』






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《頭に貝殻(※帽子)のっけてる男の人だぁ》





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「この人かな？」

《そう、その人だ〜！》

「…………え、あ、僕！？」


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