36-2 タケミチsaid ページ10
興奮した千冬に背中を押され、そのバイクに跨る。
「エンジンかけてみ!」
「え?どうやるんスか?」
バイクなんて乗るにしてもまだ先の事としかおもってないからどうやるのかさっぱりだった。
そんなオレにマイキー君が後ろに乗る。
「ようしレクチャーしてやろ」
「その辺一周して来いよ」
「おう!」
マイキー君のレクチャーを聞きながらバイクを走らせる。
「タケミっち違ぇって!」
「そこでアクセル戻して!クラッチ握って!」
「へ?クラッチ?」
「さっき言ったろ?」
「要領悪っ」
イラついたようなマイキー君にごめんなさいと謝った。
大分慣れてきた時、マイキー君がぽつりと話し出した。
「運命を感じたんだってさ」
「へ?」
「このエンジン見つけた時」
「むせ込んじまいそうな灰色の空の下でさ」
「天井ぶっ壊れた廃墟に大量のスクラップ」
「その中にコイツらが埋もれてたって」
「"オレを呼んでた"って兄貴が言ってた」
「へぇ」
「その話の度にAがうるさいって言ってたっけ」
「あはは…」
「いつかその場所に行ってみてぇな」
「行きましょうよ!!」
「上手くなってきたじゃん!」
「なんかコツが掴めてきました!」
その後、千冬と一緒に河川敷に来ていた。
オレはぼーっと景色を見ていた。
「何考えてんだ?」
千冬の問いかけにすぐ返答ができなかった。
「この先どうなるんだろうな?」
「
「稀咲たちが
「今や壱番隊が
「
「稀咲を
「
「だから、帰るんだろ?未来に」
千冬には何もかもお見通しだった。
「うん」と返事すれば後ろで寝転んでいる千冬が起き上がった。
「お別れだな」
「お前の生きる場所は12年後」
「
「ヒナちゃんやアッくん…」
「みんなの生きてる12年後だ」
「オレ…オレ…」
「千冬!!」
泣いてるのを悟られないように顔を上にあげ叫ぶ。
「今までありがとな!!」
「オマエがいなかったらここまでこれなかった!」
「オマエはオレの一生で一番のマブダチだ!!」
「12年後にまた会おう!」
「それまで少しだけお別れだ」
涙が止まらなかった。
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作者名:倖那 | 作成日時:2021年10月21日 20時