片手のないあの子【東リベ】3 (ページ25)

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42-2 現代？？？said ページ25

いつもの教会に社長が足を運び、いつもの定位置に座る。
その斜め後ろに自分は立つ。

「あー!!!もう!!」
「どうしたらいいんだよマジで!!!」

通路挟んだ反対側に座ってる奴が叫んだ。

「うるせぇぞ…」

「あ!」
「すいません」

社長がそいつに声をかけた。

「オマエも"アイツ"の冥福を祈ってくれ」

そいつはどうやら社長の知り合いのようだった。

「アイツが死んでから毎日ここに来るようになっちまった」

「………え?」

「"八戒"は天国でも弱虫のままかな…?」

社長が声かけた奴はこちらを見て驚いた表情をした。

「アーメン」

「大寿君!!!?」

社長は立ち上がり、その前に立ちあがっているそいつの前に立ち塞がる。

「…みんな死んじまったな」
「元気してたか?」
「花垣」

花垣と呼んだそいつは社長からいくらか話を聞いていた人物だった。
なんでも今の社長の性格になったのは花垣(そいつ)のおかげらしい。

「お久しぶりです!!」
「少し……」
「話せませんか!?」
「黒川イザナと黒龍(ブラックドラゴン)について!」
「どうしてもお聞きしたいんです!!」

社長がチラリとこちらを見た。
それに軽く頷き、手帳をチェックする。

「………"いつもの場所"で問題ありません」

社長に小さく告げ、花垣という青年と一緒に外に出る。
その後、路地で花垣と協力している橘ナオトという青年と合流した。
橘ナオトはなんでも花垣の地元の警察らしい。

「挨拶はいい…ついて来い」

社長の後ろをついていき、とあるお店につく。
簡単な料理と飲み物を出し、人払いもさせた。

「いいか」
「警察に協力する気はねえ」
「だが、オレも八戒の事で東卍(トーマン)には因縁がある」
「情報交換だ、警察の掴んでるモノも知りてぇ」
「今からする話はここだけの話だ」

「わかりました」と橘ナオトが応えると、「そちらの方は…」と視線をよこした。
社長もまたこちらを見て、頷いた。

「ちゃんと紹介してなかったな…」
「表ではオレの秘書をやっている……」

「"影乃宮玲生"です」
「……いや、こっちの方がオマエにはわかるだろう」

欠けていたサングラスを取り、改めて花垣武道を見る。

「"A"…」

「!!」

「久しぶりだな、タケミチ」

「A君…!!?」
「なんで大寿君と一緒に……」

「今は東卍(トーマン)から逃げてる身でね」
「匿ってもらってる」

俺は大寿の隣へ座る。

「続けよう」