片手のないあの子【東リベ】3 (ページ11)

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急にタケミチに呼ばれたかと思えば、マイキーをはじめ、ドラケン、千冬、タカ、八戒がいた。
少し遅れてタケミチが現れた。

「どうしたんだよ、タケミっち?」
「急に改まって」

「……マイキー君!」
「"稀咲は敵だ"」
「場地さんが最後にオレに託した言葉です」

マイキーと千冬が反応する。

「"参番隊隊長は"」
「"稀咲じゃねぇ"」
「"パーだけなんだ"」

そして、創立メンバーの名前を呼ぶ。

「"東卍創立メンバー(あいつら)は"」
「"オレの宝だ"」

そう言葉にするタケミチは少し涙ぐんでいる。

「忘れないでください、場地さんの目指したモノを!!」
「心を強く持ってください!」

タケミチの言葉を聞きながら、未来(あっち)へ帰るのだと悟った。

「マイキー君なら一人で時代を創れます」

その言葉に思考が停止した。

「(コイツは何を言ってるんだ?)」
「(万次郎が…俺が頼んだことを忘れてるのか…?)」

周りの音が全く聞こえない。
ひしひしと中で渦巻く何かが溢れそうになるのを無理やり抑え込む。

「A、写真撮るってよ」

タカに肩を叩かれ、音が戻ってきた。

「記念写真だとさ」

「…なんの記念だよ」

「知らね」

タケミチがドラム缶にカメラをセットする。

「いきますよー?」

その言葉と一緒にマイキーがあくびをする。

「マイキー君!?みんなこっち向いてくださいよー」

カメラをセットし終えたタケミチがこちらに走る。
そして、シャッターが切られ、一枚の写真が出来上がった。
後に千冬から聞いた話によれば、タケミチはやはり未来に返ったそうだ。
そんなタケミチの行動に少なからず苛立ちを覚えたのは無理やり抑え込んだ。
左手に新たな爪痕が残ったのも全部隠した。