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第四話: 再会 ページ5

《火神 サイド》


「……げっ、約束の時間、過ぎてんじゃねぇか…」



久しぶりにこの場所に帰ってきた。
色々と忙しくて、やっとの暇を貰っての帰国。



内心、あいつらの顔を見るのが少し楽しみだ。
約束の時間にある店で待ち合わせする事になったんだが、



予定の飛行便は遅れて、慣れない空港内で迷った。



「……先輩に叱られる…。」




おっかない相田(監督)日向(先輩)にシメられるって思うと身震いし、
出口に向かって走ったけど、



目の前にいる小さい女には気が付かなかった。
声をかけてももう遅い。




『うわぁ!』




ぶつかった衝撃で、お互いに尻もちをつき、
床には俺達の私物が散らかった。



「っ……ゴメン…!大丈夫か?あんた。」




手を差し伸べる時、顔を覗いて見たら、
結構綺麗だなって思っちまった。


繋いだ手だってめっちゃ…、柔らかったしな……。





(……つか、それどころじゃないだろ。)





女の手をとって立ち上がらせて、
互いに散乱した私物を拾い上げる。





一つ一つの仕草に目を奪われる。
物を拾う手の先や、さっと耳に髪をかけるしぐさ…。その短い黒髪をなびかせながら、漂う甘い香り…。





(……ッだぁ!!何考えてんだ俺は!!)





『…えぇ、ありがとう。空港内で走らないほうが良いですよ。お急ぎですか?』





……、そうだった…!!
事態に気付いて、いっけねと声を漏らしてしまった。





「I'm Really sorry for what happened earlier! (さっきのは本当にすまない!)
………けど、あんたもながらスマホは良くねぇ。
そんじゃあ!」




咄嗟でその場を後にして、
タクシー乗り場へと走っていった。




あいつらに会うのに頭がいっぱいだった先程の俺だったけど、





(……名前、聞いてなかった…。)





さっきの女の事が気になってしょうがねぇ…。





「……、ヤバイな…俺。」





さっきの温もりと感触が残る手を見て、
また会えねぇかな、って思っている…。





その頃の俺は、まだ
スマホが入れ替わった事に気付いていなかった。

第五話: 必然→←第三話 動き出す物語



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綾葉メグ(プロフ) - りみさん» 読んで下さりありがとうございます!なるべく早く更新出来るよう頑張ります! (2020年10月5日 4時) (レス) id: 2c121bd297 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - 続きを楽しみにしています!これからも応援しています頑張ってください(*´▽`*) (2020年10月4日 21時) (レス) id: 8754467967 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 和香さん» 読んでくれてありがとうございます。早めに更新出来るよう頑張りますね! (2020年5月2日 16時) (レス) id: a78732187c (このIDを非表示/違反報告)
和香 - 続きがものすごく気になります!更新頑張ってください。 (2020年5月1日 19時) (レス) id: 29c4e7285d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2020年3月10日 5時

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