152話 ページ2
『すごく怯えてる……フラーに何があったの？』
「分からない……」
あそこまで代表選手たちを怯えさせる何かが、きっと迷路の中にはあるのだ。
第一の課題みたいにドラゴンとか、それともハグリッドの尻尾爆発スクリュートとか……まさかディメンターとか。
『(大丈夫……何かあっても、赤い火花を打ち上げればいいんだから)』
そうすれば、すぐに先生達が助けてくれる。
マダム・ポンフリーやマダム・マクシームに囲まれて治療されているフラーの様子を伺いながらそう思っていると、ハーマイオニーが声を上げた。
競技場に視線を戻す──再びあの赤い火花。
「今度は誰……？」
「出てきたぞ、あれ──嘘だろ、クラムだ……!!」
先生達に抱えられて迷路を出てきたのは、クラムだった。
「嘘だろ」とロンが言ったのはきっと、散々ジャガイモ頭とか言ってたけどやっぱり彼のクィディッチのセンスと運動神経に関して一目置いているからだろう。
そんなクラムの状態に、三人は思わず身を乗り出した。
観客席から競技場は遠くてよく見えないけど、クラムの見開かれた目は白く染まっている。
『待って──杖を持ってないわ!見て、クラム、杖を持ってない! 』
「多分、ビクトールじゃなくて、ハリーかセドリックのどちらかが赤い火花を上げたんだわ」
ハーマイオニーが言葉を詰まらせながら言った。
クラムのことが心配なのもあるだろうけど、多分、まだ迷路の中にいるハリーのことを心配しているのだ。
ロンもAも、思わずゴクリと唾を飲み込んで森で包まれた迷路を見た。
『(大丈夫、大丈夫、ハリーとセドリックは無事に帰ってくる)』
クラムの代わりに火花を上げる余裕だってあるんだから。
どちらかが優勝杯を掲げながら、多分顔も身体も泥だらけにしながら、迷路の中から出てくる。
優勝杯を取れなかった方は悔しそうに、でも「おめでとう」と、同じくらい泥だらけの顔で笑ってる拍手をする。
どちらがハリーで、どちらがセドリックか──。
それでも、フラーとクラムが出てきてからしばらく経っても、人が出てくる気配は少しも無かった。
状況が全く伺えない中祈り続けて、何時間経っただろう。
競技場の辺りが夜に包まれても、ハリーとセドリックは戻ってこなかった。
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黒猫_Kurone - 2人の仲がいいことがわかるイラストでめちゃ好き…。番外編も面白くて、わくわくしながら読んでます！作者さん、素敵な作品とイラストを提供していただきありがとうございます！！ (6月17日 15時) (
レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
黒猫_Kurone - ダンスパーティーで、フレッドの活躍や、主人公ちゃんがハリーの目の色に合わせて、ドレスを選んだというシーンとかめちゃ好きです！閑話のハリーと主人公ちゃんのイラストで、ハリーかっこよすぎて惚れるし、主人公ちゃん、天使…めちゃかわいい…(チーン (6月17日 13時) (レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます❕セドリックの最期は本当に切ないですよね😖 (6月5日 0時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - セドリックｳｳｳｳｳｳｳ (2023年3月3日 6時) (レス) @page30 id: 43545663d6 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - みのみのさん» コメントありがとうございます❕私も、この炎のゴブレットがハリー・ポッター作品の分岐点のようなお話だと思っているので、とても嬉しいです!!イラストを公開するのが何気に一番緊張するので、ドンピシャと言っていただけると本当に安心します😖 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年9月15日 17時
