151話 ページ1
「誰が優勝杯を持って帰ってくると思う……？」
「ハリーに決まってるわ」
心配そうなロンに、ハーマイオニーがピシャリと言い放った。
そう信じて疑わない──という感じだ。
「じゃあAは？優勝杯を誰が勝ち取ると思う？」
「勿論、ハリーでしょう？」
『私──……』
『勿論ハリー!!』と答える姿を二人は思い浮かべていたのだろう。
そう言ったまま言葉を切ったAに、驚いたように目を見張った。
「まさか──クラムだとかディゴリーだとかって言うのかよ？」
「あなただってさっきハリーだって即答しなかったじゃない」
『あ──違うの!ハリーのこと本当に応援してるし、優勝して欲しいと思ってる』
「じゃあなんなんだよ？」というロンに、Aはまた言葉を詰まらせた。
言ってもいいものか迷ったのだ。
セドリックはわざわざ耳元で言ったのだから、他の誰かには聞かれたくないことだったのかもしれない。
ハリーに優勝して欲しい。この気持ちは嘘じゃなくて、間違いなく本気だ。
だけど、セドリックの伝えたいことが何なのか気になるというのも事実だった。
『(勿論二人は親友だし、隠し事なんてしたくないけど──……)』
「……ま、Aはさっきディゴリーと仲良くしてたみたいだしな」
『頑張ってねって言っただけよ。どうして不貞腐れるの？』
「不貞腐れてなんかないよ」
「ビクトールのことでも、ロンはすぐに不貞腐れるわ」
ハーマイオニーのツンとした言い方に、ロンはわなわなと震えながらハーマイオニーを向き直った。
「そ──それは君が、ハリーの敵とイチャイチャしてるからだ!!」
「まぁ!!敵ですって？」
『見て──見て、あれ──!!』
Aを挟んでいがみ合うロンとハーマイオニーの腕を掴んで、競技場を指差した。
赤い火花が打ち上がったのだ。
赤い火花は迷路の中で選手の誰かが何か危険に巻き込まれた時、助けて欲しい時に打ち上げられる信号だ。
心臓がドクンと跳ねた。
それを確認したマクゴナガル先生達が、迷路の中から速やかに選手を助け出した。
出てきたのは──フラーだ。
迷路の中にどんな恐ろしいものがあったのか、迷路から出てきたフラーの様子は放心しているようで、明らかにおかしかった。
あんなに怯えながら、赤い火花を上げられるだろうか。
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黒猫_Kurone - 2人の仲がいいことがわかるイラストでめちゃ好き…。番外編も面白くて、わくわくしながら読んでます！作者さん、素敵な作品とイラストを提供していただきありがとうございます！！ (6月17日 15時) (
レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
黒猫_Kurone - ダンスパーティーで、フレッドの活躍や、主人公ちゃんがハリーの目の色に合わせて、ドレスを選んだというシーンとかめちゃ好きです！閑話のハリーと主人公ちゃんのイラストで、ハリーかっこよすぎて惚れるし、主人公ちゃん、天使…めちゃかわいい…(チーン (6月17日 13時) (レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます❕セドリックの最期は本当に切ないですよね😖 (6月5日 0時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - セドリックｳｳｳｳｳｳｳ (2023年3月3日 6時) (レス) @page30 id: 43545663d6 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - みのみのさん» コメントありがとうございます❕私も、この炎のゴブレットがハリー・ポッター作品の分岐点のようなお話だと思っているので、とても嬉しいです!!イラストを公開するのが何気に一番緊張するので、ドンピシャと言っていただけると本当に安心します😖 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年9月15日 17時
