男子校なのにモテ期がきてしまった!! ページ28
目の前の佐久間は俺の背中を押した。
悪戯な笑みはもうしてない、ただ応援してるその一言を吐き捨て教室から去っていく。
その背中は心做しか大きく見え、不覚にもキュンと来てしまった。
校内を走り回り、息を切らしながら舜の元へと向かう、教室を覗いてみるものの舜の姿は無く、あたりを見渡す。
何処に行ったんだ彼奴!!!
立ち止まり息を整えていると背後から肩をポンと叩かれ
振り向くとそこには十神の姿が。
「A、舜なら中庭」
十神は優しく微笑み、俺の背中を押す。
その表情から苦しさは見えなくて、俺は十神の肩に手を伸ばし
「サンキュ忍」
「おう!気にすん…え、お前今なんて」
「うるせ、じゃあな!」
まぁ、このくらいの褒美はくれてやってもいい
そんな軽い気持ちで呼んでみたのだが、想像以上に喜んでくれたようだ。
背後でギャーギャー何かを言っていたが、俺は気にせず走り出した。
ベンチ
そこに舜が座っていた。
近付く度に心臓が破裂してしまうのではないかと思うくらいバクバクと鳴り出した。
舜は俺の気配に気が付き立ち上がって振り向く。
「A…ごめん、俺」
俺の顔を見た途端反省していると眉を下げた舜に、俺は話し出す。
「巫山戯んなとは思った、けど何時だって俺の事思って守ってくれんのは素直に嬉しい。
最初はさ、男に好かれるなんて冗談じゃねぇって思ってたよ、けどなお前ならいいかなって、お前なら全然ありだなって最近思えてきて…」
本音を言うのは緊張した、目の前の舜は目を見開いて俺の表情を見ていたから余計緊張しているのかもしれない。
声が、震える
言う前に少しの深呼吸を挟んだ、その間も舜は何を言わず待っていてくれた。
そういう所が好きなのかもしれない。
よし、言うぞ
好きだ付き合ってください
好きだ付き合ってください!
よし!!
「お前の事が好きだ、別に付き合ってやってもいい」
「…え?」
一瞬の沈黙が走った、口を開いた舜は驚いている。
何でだよ!!何でだよ俺!
なんでそんな言い方しちまうんだよ!!
頭を抱え、あああ!と舜から顔を逸らす、あまりの恥ずかしさに顔から火が出てしまいそうだ。
「はは、ふ、ははは」
だが、舜は愉快に笑いだした。
「それでこそ、Aだよね
いいよ、付き合ってやっても」
「巫山戯んな、お前に言われると腹立つ」
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作者名:yuno | 作成日時:2018年12月31日 11時