検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:85,098 hit

男子校なのにモテ期がきてしまった! ページ16

最悪だ、舜に怒鳴ってしまった。
目の前でポカンと口を開けている舜、俺は急に気まずくなり慌てて舜の肩を押し、部屋から飛び出すように走った。




何処まで走ったのだろう、辺りはオレンジ色に染まってる。
俺の目は腫れたままで、好機の目が俺の姿を捉えて離さない。
心配の目から笑いの目、様々だった。

人気のない路地裏に入り、ゴミ捨て場の隣に座り込む。
目前の店から匂う香りが鼻を擽る、だが頭の中では舜に謝らなくてはと、そんな事ばかり考えていた。

また、鼻の奥がツーンとする。

何故いつも素直になれない、何故いつも上手くいかない。
心が痛くなった、その刹那

「A?」

「…あ?」

ガチャりと扉が開き、ゴミを持った十神が店の中から出てきた。
いかにもウエイターという格好をしている。
ジーっとその姿を目に焼き付けていると

「何かあった?目が腫れてる」

肩に置かれる手と目元を撫でる指、ビクンと肩が跳ね、思わず片目を瞑る。
十神の指は優しく、また鼻の奥がツーンとした。

「コンビニから舜が女と出てきた、腕組んで仲良さそうに、見てただけなのにずっげぇ胸が痛くなって…思わず逃げちまった」

泣きそうな勢いで十神に全てを話す。
真剣な目で聞いてくれる十神の姿に胸がドキッと高鳴った。
言葉を上手く紡ぐ事が出来ず、途切れ途切れの言葉だったが、十神に全てを話終えた後、何故か心がスッキリした気がした。

「お前に話したらスッキリしたわ、やっぱ良い奴だなお前、じゃ帰るわ」

あまり此奴を引き止めておくのも悪い、そう思い踵を返して帰路へと歩みを進めたのだが
それは十神の手によって阻まれた。

「良い奴止まり?」

「え?」

いつもより近い位置にある十神の顔、最近の十神は雰囲気が変わり、何処か大人っぽくクールで前のようにはしゃぐ事も最近はしなくなっていた。
だから余計なのかもしれない、こんなにも胸が高鳴るのは


「好きなんだけど、Aの事が」

手首を掴んだまま、十神は俺の瞳を見ながらそう言った。
なんとなく予想はしてた、この雰囲気と二人きりのこの状況。
少なくとも俺は弱ってる、告白するには最適。

やはり、十神の好きな奴は俺だったんだ。

「ごめ」

「いいよ、その代わりまた今度一緒にカラオケ行こうな」

ニコリ、そう笑った十神。
だが、申し訳なくて十神の目を見れなかった。

「悪く思ってんなら、1個お願い叶えてくんない?」

「…何だよ」

「バイト、今人数足んねぇの、助っ人いい?」

男子校なのにモテ期がきてしまった!→←男子校なのにモテ期がきてしまった!



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (119 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
154人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , 男主 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:yuno | 作成日時:2018年12月31日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。