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12:ふあんをとかしたおうじ ページ47

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「はぁ……そろそろ行かなきゃ。」と、立ち上がってズボンについた埃を払うまふくん。


「うん。…まふくんどこ行くの?」



そんなため息ばっかりついて。








「ぼく、ほのかっていう人嫌いになりそう……。」

「えっ!? なんで急に?」




ほのかちゃん。確か、luzくんと……いや、バンドメンバーの方々と仲が良かった、
ボーカルの女の子じゃなかったっけ?

確かに、まふくんとはあんまり仲が良くなかったかも。





「きらい! やだあの人!」

「だけど、なんで急にそんなこと言うの? もしかして電話の人、ホノカちゃんだったの?」

「……うん。あのね、Aちゃん。」


「ん?」




まふくんの改まっている感じ。
これは何かあるな、と直感でそう感じた。








「……今から話すこと、テキトーに聞いてもらって平気だから。むしろ深く考えないでほしいんだけど」

「うん。」




まふくんは、真剣な顔つきで
わたしの肩を掴みながら話す。




「あの女、誰かに最近酷いことされてるらしくて……その犯人がAちゃんじゃないかって、疑ってる。」


「ふーん、そうなんだ。……………え ?私?」






私が、犯人にされてるってこと?

そう思いながら私は自分を人差し指で指すと、まふくんは、そっと頷いた。





「ご、誤解だよ」


「知ってるよ。大丈夫。だから今から、僕が……疑いを晴らしてくるね」

「……」



「あの人たちに疑いを晴らすのは難しいかもしれないけど……Aちゃんに濡れ衣なんて絶対に着せない。だから安心して?」


「…………まふくん、」






いつもより穏やかにそう話すまふくん。

私の不安な心も
どんどん和らいでいく。

この人は、私の宥め方を知ってる。私がまふくんの宥め方を知っている代わりに。



人見知りのまふくんが、勇気を出してくれているんだ。









「まふくん、私が行くよ。」








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山下(プロフ) - ゆんたさんの作品が大好きで一文字でも多くゆんたさんの書く文章が読みたいです。もし宜しいのであれば続編を読みたいです。 (3月31日 3時) (レス) id: 12bd432e17 (このIDを非表示/違反報告)
めぞぴあの(プロフ) - 続編、読みたいです… (8月30日 19時) (レス) id: 269b094ab0 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 続編読みたいです!!!!!!!!!!!!!!!!! (2023年3月25日 9時) (レス) id: 0407d7412e (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - コメント失礼致します。この作品、好みドンピシャです…!ここまで刺さる作品今まで読んだことがなかったので読んでいてとても楽しかったです! (2022年12月31日 17時) (レス) id: cb0bd95209 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃん(プロフ) - コメント失礼します。最高の作品でした。今はパスワードがあって見られませんが、いつか全体公開にしてくださる日を待ってます!!!いつか続編見たいです! (2022年10月31日 23時) (レス) id: 3a7614e975 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんた | 作成日時:2018年6月19日 19時

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