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47:全部お前のお陰だった ページ46

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「そらる、座らないの?」

「うん。俺はいい。大切な話するから。」





そらるはそう言って、ベンチに座る私に向き合うようにして前に立った。
風に靡くそらるの長めの髪。

長めの前髪から見えるそらるの目は、真剣そのもの、だった。









「俺、バイト辞めたんだよ。」

「……そうなの?」

「うん。実は俺、あのバイト嫌いだったんだ。ずっと心のどこかでは辞めたいって思ってた。だけど、やめたら……」




やめた俺に何が残るんだろうって。

そんなこと言うそらるは、どこかスッキリした表情だった。









「お前が俺のことを誇りに思うって、そう言っただろ?」

「……そうだっけ? 言ったような、気もする。」

「気もするじゃなくて言ったんだよ、お前は。」





誇りに思う、なんて
私はきっとその時、頭がおかしかったんだ。

今言えって言われても、絶対にそんなこと言えないもん。恥ずかしくて口が裂けても言えない。








「上司と電話してる時にね。その言葉を思い出してさ。……辞めてやるーって、気づいたら言ってた。」

「……」

「仕事をやめたら音楽をやりたいって、思ってたけど…背中を押してくれたのは、やっぱりAだよ。」



「…私のおかげなの?」

「お前のパワーだよ、本当に。」









そう言って、座る私の頭をクシャッと撫でたあとに、ありがとう、と呟くそらる。

今日はやけに素直だ。

素直すぎて、気が狂う。









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48:素直でよろしい→←46:胸キュンした、してない



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ぽにょ - 間違いだったらごめんなさい。このお話って「サムマイウェイ」のパクリではないでしょうか? (2022年9月4日 19時) (レス) @page28 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
花蘭(プロフ) - どうして後半だけパスワードがかかっているのでしょうか…? (2020年8月15日 10時) (レス) id: 7a9bcca966 (このIDを非表示/違反報告)
まぬん(プロフ) - 完成したはずの後編を見たいんですけどパスワードがかかっていて見れません…よければパスワードを教えてて頂きたいです! (2020年5月14日 8時) (レス) id: d24847e3a9 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - お話の続きを読ませていただきたいのですが、パスワードを教えて頂くとこは可能でしょうか…?? (2020年3月27日 9時) (レス) id: eab2b547de (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - 初コメ失礼します。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: eab2b547de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんた | 作成日時:2018年6月17日 21時

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