【そらる】よく聞いて、男はみんな狼です。

42:ばれちまった、素性 ページ42

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帰り道。
私はさりげなくだけど、そらるのことを待っていた。

いつ、現れて｢一緒に帰ってやるよ｣なんて言うんだろうと思って。

だけどそらるは来なかった。
代わりに一通のメールが、
私のスマートフォンを鳴らした。









『俺、軽音部入ることにした。』
『だから、今日はお前と帰れない。』
『寂しくても我慢して歩けよ。悪い男には捕まるんじゃねえぞ』









ぶっきらぼうな内容。

でも、そらるがまた音楽を始めるなんて。あんなに嫌いって言ってたのに。

まぁ、私はそらるの歌をもう一度聞けると思うと嬉しいんだけど。






…………ていうか。

｢誰が寂しいだよ……｣






相変わらず、私がそらるのことを大好きだって過信しているそらる。
当たってるんだけど……

そんなことに気付くなら、
私の想いにも気付いて欲しかったなぁ、なんて。


そらるは知らない。
私の初恋の相手は、そらるだって言うこと。









仕方ない。
今日は1人で帰ろう。


そう思った時だった。









｢…………っ、Aちゃん？｣









たしかに私の名前を呼ばれて

振り返るとそこには、
見覚えのある顔立ちの美青年がたっていた。


一気に、冷や汗が垂れる。








｢……真冬さ、｣






"終わった" と思った。









｢なんで……なんで制服なの？｣





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