【そらる】よく聞いて、男はみんな狼です。

21:かえってない？許さん ページ21

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｢は？ Aが居ない？｣


｢そうなの。今日は帰ってこなくて。｣






いつも、｢子供扱いはやめてよ｣
とは言っていてもきちんと門限を守っていたA。




そんなAが、帰っていないらしい。




思わず、Aのお母さんに｢は？｣と言ってしまったほど俺は動揺していた。
だって、1人じゃ何も出来ないあいつのことだから。







｢……連絡は？｣

｢あの子、ケータイ忘れちゃって。ほら。｣




……。本当に馬鹿なんだな、あいつは。








｢なにか事故でもあったんじゃないですか？｣

｢ううん、それが今日は遅くなるかもって言われたのよね。｣

｢え？｣

｢Aももう、大人なのかもしれないわね。｣

｢…………。｣







あいつが大人？

そんなの………。








俺はこのまま話していても埒が明かないので、Aのお母さんに漬物を渡した。

｢Aのケータイ貸してくれますか？ あと、Aが帰ってきたら連絡下さい。｣

とそれだけ言って。


Aのお母さんが家に入るのを見送ってから、俺は電話をかけた。
思い当たる節が、一つだけあるんだ。


それはAがいつも一緒に居る

タチの悪い友達。





進学校だと言うのに、

Aが｢くろちゃん｣とか言って懐いちゃってる子はスカートが極端に短い。

そして、俺が1番気に食わないのはそいつじゃなくて、｢天月｣とか言う男の方だ。





ヘラヘラ笑ってチャラチャラして、
いつも頭がおかしいAがもっと馬鹿になってしまいそうで、あんなのと本当は一緒にいて欲しくない。



だけどそんなこと言ったら、

流石に干渉のし過ぎだと思う。





これでも、俺は我慢しているんだ。

本当はAの隅から隅まで全部、俺の思いどおりにしたいけど








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