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54*ー私のシュークリームー ページ5
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次の日の朝、
野菜を詰め込んだコンソメスープを作ってから
冷蔵庫にあるものを取り出した。
「あ、シュークリーム。まだあったんだ。
あいつらに食い尽くされたかと思ってた」
『実は、高地さんが買ってきてくれた方を
大事に取っておいたんです』
そう言ったものの
なんだか小っ恥ずかしくて、
「どれにします？」なんて話を逸らした。
だってこれは
“私のため”に買われたシュークリーム。
田中さんのは
“みんなのため”に買われたシュークリーム。
同じシュークリームでも全然違う。
貴重な“私のため”のシュークリーム。
高地さんと食べたくて
昨日はあえて出さなかったようなものだ。
もちろん
みんなお腹いっぱいだったて言うのもあるんだけど
本心は、私が匿ったシュークリーム。
下心とはこのことか…
自分の私欲が恐ろしい。
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作者名：ゆづり | 作成日時：2020年10月17日 23時
