【名探偵コナン】僕があいした、ただひとりの君へ２【諸伏景光】

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諸伏は、困惑していた。



暫くの間、溜まっていた有給を消化する許可が下りたとかで、Aは予定通り彼のサポートに徹する事になった。


だが、どうも休むという事に慣れていないらしく、在宅で出来る仕事を預かってきた結果、空き部屋は彼女の書斎になり、1日に数時間はそこに篭る事になった。


これがお互い1人になる時間を作るきっかけとなったから、逆に良かったかもしれないのだが。




現在の時刻は21:00。英語で日常会話をしてみるという試みは時間で区切る事になり、20:00までと決めていたから、少しだけ開放された気分になった諸伏が、状況を整理するために紙とペンを手に取ったのが30分前。



《FBIの応募条件》
1.任命の時点で23〜37歳である事
2.アメリカ国籍を有している事
3.認可された4年生大学の学位を有している事
4.アメリカ合衆国の自動車免許を保持している事
5.3年以上の専門職就労経験がある事



１はまず問題無いだろう。３と５は先日話したし、４は在学中にタイミングをはかって取りに行けばいい。ちなみに、大学入学時の身分証はルーカスが何とかする事になっている。


問題は、２。つまり、グリーンカードの取得に関してだ。



《グリーンカード取得方法》
1.配偶者、家族
2.抽選
3.米国への投資
4.EBビザ
5.米国スポンサーのサポート



スマホ片手に書き出した情報は、これで全部だったから、彼を困惑させるには十分だった。はっきり言って、不可能では無いか、と。


もし諸伏が現状21歳未満であったなら、ルーカスが養子にし、１の家族として取得出来たかもしれないが、残念ながら年齢オーバー。


恐らく、Aも赤井もこの家族経由のパターンで取得したのだろうと想像がつくのだが、疑問なのは、誰も諸伏にこの件が難関だと伝えなかった事だ。



そう、FBIにならないかと提案してきたルーカス本人も、彼にさり気なく諸伏を推したであろう赤井も、1番近くに居るAでさえ。






『...ロ、ヒロ？』
「えっ！？あぁ、ごめん」


余程集中していたのか、リビングにやってきた彼女の声掛けに反応出来ず、肩を叩かれて漸く気がつく。

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