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〈...ロル、キャロル!とにかく外へ!〉
「あぁ、今日はお仲間が居るんだっけ?少し煩いな」
『っ、』
音漏れしたそれを髪を避けて外すと、遠くへ放り投げる。
外される瞬間、プール、という単語だけは確かに彼女へと届いていたが、聞き返す事は出来なくなった。
「名は知らぬが相棒君!何も出来ずにいるのは歯痒いだろう!安心したまえ...彼女の悲鳴くらい聞かせてやる」
〈!〉
〈ッチ、クソ野郎!〉
もちろんその舌打ちはターゲットには聞こえていない。あくまで一方的な通告だった。
〈("相棒君"...奴は俺達の事を、ツーマンセルだと思っているのか?)〉
だがバーボンはそこからある仮説を立てる。話を聞くに、ターゲットは別人としてではあるが以前も組織に関わっている。少しばかり情報を得ていてもおかしくない。余程難易度が高くない限り通常任務は2名体制だ。一夜で終わるものなら尚更。
ならば、実際はスリーマンセルのこの状況。彼女を助けるだけでなく、当初の目的も達成できるかもしれない。
ーーー全てはスコッチ次第だが。
〈スコッチ、〉
〈どした!?〉
音漏れしないよう、そっと彼の名を呼ぶ。
〈キャロルの居る階に着いた。窓下にあるプール付きの中庭までの距離は約10メートル。ここのセキュリティガード達が携帯している銃はコルトガバメントだ〉
〈!...OK、やってみるぜ!〉
〈一発で仕留めろよ、サイレンサーなんて付いてないんだから〉
準備が出来たら連絡しろ、そう言って、バーボンは廊下の死角からそっと様子を伺う。キャロル達の居る部屋のドア前には、男が2名立っていた。側近だろうか、なんにせよ突破しなければならない。
きゅ、と少しズレていた手袋を直すと、彼はふぅ、と息を吐いた。
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えぬ(プロフ) - ユナさん» 初めまして!いつも楽しく見させていただいてます!あの、新しい小説のリクエストってしてもよろしいでしょうか? (2022年6月1日 22時) (レス) id: 619e2b7b7b (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ムスメ3さん» 見返し!!ありがとうございます(´TωT`)間が空くと分からなくなりますよね、すいません(´TωT`)コメント凄く励みになって嬉しいです!ありがとうございますm(_ _)m (2019年10月28日 1時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 久しぶりに見返しました!とても面白いです!これからも更新頑張って下さい! (2019年10月27日 23時) (レス) id: 64e9274118 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ムスメ3さん» コメントありがとうございます!間空いてしまってすみません!イチャついてから完結させますのでまたお付き合い頂けると幸いです! (2019年10月27日 9時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - どうなっちゃうのか楽しみすぎます!頑張ってください! (2019年8月24日 22時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年7月29日 11時