【d！】彼女はまるで屠所の羊 (ページ13)

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羊が１３匹ページ13

「えっと、こんなにもらっていいの？」

ゾムさんはゲームが得意らしく、取ったお菓子をたくさんもらってしまった。

……こんなありがたい恩、私が生きている間に返せるのかしら……？

「ええって！せっかくやしもらってくれへん？」

「そ、そう。じゃあありがたくもらうわね。

　この恩は必ず返すわ」

「ん－、やったら……構ってや、それだけでええ」

「は？」

何故、私がゾムさんを構わなければならないの？

構ってもらうなら……って、そういえば生徒会は構ってくれないんだっけ。

「ただ話してくれるだけでええから。それでパーになるんやし、ええ話やろ？」

確かに、それでパーになるなら私が生きている間に返せるし、こんなにお菓子やら食品やらもらってる私にとってメリットしかない。

……よし、ここは受け入れよう。

「はいはい、分かったわよ。でも、私停学中よ。君が学校行ってる間は構ってあげられないからね」

「……ええんか！？ん－、まぁ毎日遊びに行くからええで」

え、ゾムさん毎日来んの？

それは結構きついんじゃ……。

ふと、時計を見ると、時刻は四時だった。

そろそろ帰らないと学生が帰る時間になってしまう。

同じ学校の生徒に見られるのはマズイ。

「やば！私、帰らなきゃ。

　じゃあまたね、ゾム！」

私は急いで家に帰った。

その後ろでゾムは顔を真っ赤にして、

「不意打ちはズルいやん！！」

と言っていたのを私は聞き逃さなかった。

……生徒会って意外と初心なの？