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#27 ページ27
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少し後退りして、また彼との距離をつくり、
「心配してくれてありがと、またね」
無理に笑顔を作って、またその場を去る。
『……』
まだ疑っている顔で彼が立ち尽くしているのを
知っておきながら、背を向けた。
彼の優しさを鵜呑みにするのは、良くないと思った。
彼はこうやって、みんなに優しいから。
きっと私だけじゃない。
「………」
逃げるように1人で歩く帰り道は、
自分の心に逆らっているようで、もどかしい。
そんな中、ふと気がつくのは、
涙がいつの間にか止まっていたこと。
止めようと思っても、止まらなかったはずの涙。
臆病な私を表すような、そんな涙を
_______彼が止めてくれた。
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作者名：27 | 作成日時：2022年1月1日 6時
