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「お〜い、おはよ、A。」
朝からまた面倒な奴に出くわしてしまった。
俺は声が聞こえても振り向かずに、簀子の上で上履きに履き替える。
「ちょっとぉ、無視とか酷くない?俺ちゃん傷付いちゃうんだけど。」
「うるさい、勝手に傷付いてろ。」
すると後ろの宵一過激派数人から、批判の声があがる。小さい声でヒソヒソ言うな、なんて思いながら俺は教室へ向かおうとするが手を掴まれてしまった。
「なんでそんなに俺の事避けるんだよ。」
何かしたかよ?と何も知らないと言った顔で俺に問いかけてくる。
俺は口を噤んだ。
そりゃ、中学の時みたいになりたくないからに決まってるからだろ。
考えてみたら分かるじゃねぇか、お前だって知ってただろ。
あんまり酷い事は隠してたけど、きっと言ってしまえば余計に心配かけてしまう。
コイツはそういう奴なんだ。
「よーいちくん、ちょっと今はそっとしてやってくれねぇか。」
A、体調悪ぃんだよ。
なんて嘘を平気でつきながら、いい所に真昼が来てくれた。正直助かった。
「ほら、お前もそこの過激・・・じゃない、女の子達待たせてんじゃねぇよ。散れ散れ〜」
真昼の言葉に過激派達は、宵一の腕に自分の腕を絡めながら足早にどこかへ行ってしまった。
あ、待てよ、と言う言葉が聞こえるが、女子の力には抗えず半ば引っ張られるようにして宵一は教室へと向かっていった。
「真昼・・・ありがと。」
「別にいいって・・・あ、なら今日唐揚げ奢ってくんね?」
購買の唐揚げうめぇんだって、わははと笑う真昼を見て、俺もつられて笑ってしまう。
いつも俺は真昼に助けられている。
なんだかんだ一緒に居てくれるし、良い奴だ。
小さい頃は、俺が1番強くて真昼はひょろっこいノッポで・・・後、宵一は泣き虫だったのに。
「なんか失礼な事考えてねぇか。」
「べっつに。」
教室へ着くと同時に、俺はいつも良く話す男子のグループへおはようと挨拶をする。
席に着き、教科書などを机にしまっているとふいに後から真昼が、
「宵一、本当人気だよな。あんなふざけた性格のクセに顔は良いし勉強も出来るし生徒会入ってるしさ。」
確かに、容姿端麗、成績優秀・・・
生徒会と言っても週一しか活動はないらしいが、文化祭や体育祭の時に頑張っていたのを思い出す。
そんな完璧イケメンだからか、宵一に近付く女や男はあの過激派達からは良く思われていない。特に幼馴染の・・・何故か俺だけには当たりが強かった。
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優桃(プロフ) - ゆーなさん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言って頂けると頑張ろうって思えます(*^^*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2018年1月21日 21時) (レス) id: a4872d24e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - 面白かったです!お気に入り登録しときました!これからも頑張ってください! (2018年1月21日 21時) (レス) id: 9e3b82e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優桃 | 作成日時:2018年1月21日 21時