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13話 ページ15

史人side

「ふぅ、せんせ、風呂空いた。」

そう言って出てきたのは僕の服を来た相浦だ。
髪が濡れてぺたんこで、いつもより幼い雰囲気を出している。

「ん〜、ありがとう。じゃあ僕入ってくるね。・・・あ、そうだ。相浦ご飯食べた?」

「いや・・・俺食欲ねぇから・・・殴られたとこ、まだ痛くて。」

そう言って相浦はお腹をさすった。
そっか、とだけ僕は呟き風呂場へ向かった。
脱衣所で服を脱ぎ風呂のドアを開ける。

「はぁ・・・ちょっと頭痛いかもなぁ。」

少し飲みすぎたことを後悔しながら、髪と体を念入りに洗った。
居酒屋に長い間居座ってたし、煙草臭かったらきっと相浦も居心地が悪いだろう。
40分近く経った頃、僕が風呂から上がるとまだ相浦は起きていた。

「あれ・・・まだ寝てなかったの?先に寝てて良かったのに。」

「別に、まだ眠くないだけだし。」

そんな事を言いながら、うとうとしている。
意地を張らずに寝てしまえばいいのに・・・
僕は髪をタオルでガシガシ拭きながら敷布団を敷く。

「ほら、僕はここで寝るから相浦ベッド入って?明日も学校だし早く寝なきゃ。」

「・・・」

「相浦・・・?」

相浦は黙ったまま僕に近付いてくる。
そして乱暴に僕の腕を掴んでベッドに引き寄せられた。

「ちょ、あいうらっ・・・」

「ちょっと抱かせろ。」

いきなり口から出てきた言葉に僕は驚いた。
聞き間違いかと思ったけどそうではないみたいだった。

「い、今なんて・・・」

「だから、黙って俺に抱かれてろっつってんだよ。」

相浦は僕を布団の中でぎゅっと抱き締め、顔をうずめてきた。
突然の事に驚いて声すら出なかったが、やっと落ち着きを取り戻した。

「寂しくなっちゃった、とか?」

「・・・うっせ。」

そう言ってより強く抱きしめてくる。
でも教師と生徒の関係で、こういう事をしているなんてバレたら即クビだろう。
でも、今日だけ。
今日だけだから、いいよね。

「大丈夫、僕はここにいるから。」

「知ってる。」

「僕は逃げないよ。」

「分かってる。」

「今日だけだからね、こーいうの許すの。」

「うん、俺、いつも家で1人だから。」

実は寂しかった、と小さく呟いた。
いつも1人?

「俺、親父に見放されているから。勉強も出来ない不良息子は要らないって。」

「いつか見返してやろうって思ったけど、もう面倒くさくなったんだ。」

「だから・・・」

相浦の言葉を遮るように僕は相浦を力強く抱きしめた。聞いていられなかった。

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優桃(プロフ) - 綾さん» 初めまして、コメントありがとうございます。こちらこそ、読んでくださって嬉しい限りです(*^_^*)これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2017年9月17日 11時) (レス) id: ac3cfbc466 (このIDを非表示/違反報告)
- とてもおもしろかったです。素敵なお話ありがとうございます!更新頑張ってください! (2017年9月14日 21時) (レス) id: 9b5a4fb179 (このIDを非表示/違反報告)
優桃(プロフ) - あんみつクラゲさん» わざわざ読んでくださり、コメントまで本当に嬉しいです。ありがとうございます(*^^*)更新頑張ります! (2017年8月22日 17時) (レス) id: 18d71c1466 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつクラゲ(プロフ) - イベントご参加ありがとうございます。とても素敵なお話でした(*‘ω‘ *) 評価の方もさせていただきました。これからも更新頑張ってくださいね! (2017年8月22日 15時) (レス) id: 0081b71d8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:優桃 | 作成日時:2017年8月21日 14時

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