冥界の主と少年。 (ページ7)

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鈴芽さん。ページ7

彼女は私の隣にいる少年に気がつき、目を丸くした。

「冥界さん…あなた、子連れっだったの…!?」

「いやいや私の子じゃないからね？」

「…いろいろあっただろうけど、頑張って！いつでも力になるから!!」

彼女はそう言って私の手をギュッと握った。

「だ、だから人の話を聞けって!!!」

彼女は私の手を離したと思ったら、今度は少年の肩をガシッと掴んだ。

「辛いだろうけど、ちゃんとお母さんを支えてあげるんだよ？」

「いや親子じゃないです」

「えぇ!?違うの!?」

「なんでコイツの言うことは聞くんだ!!!私は最初から違うっていってるでしょーが!!嫌がらせか? 新手な嫌がらせか!?」

しばらく驚いていたが、彼女はやがて少年に向き直り、自己紹介をした。

「初めまして。さっきはごめんね私はこの冥界で米屋をやっている鈴芽(すずめ)です。よろしくね」

「……雀？」

「鈴芽!! …まぁ、好きに呼んでいいよ」

「じゃぁ雀さんで」

「それはやめてね」

少年君よ…お前わざとだろ。

✱

「それじゃぁよろしくー」

「ありがとうございました～」

流石に食べかけの米を買うわけには行かない。お店に米が入荷したら連絡するようにした。
無事、米を入手。
鈴芽の店を出て、商店街の奥へと進む。
買うものはまだまだたくさんあるのだ。

「冥界って意外と近未来ですね」

少年は相変わらずのポーカーフェイスでそう言った。コイツは毎回めんどくさい質問をふっかけるな…

「そうだな」

めんどくさいのでテキトーに流すことにした。

「人多いですね」

「そうだな」

「…あそこで爆竹売ってますよ」

「そうだな」

「……冥界さんって馬鹿ですね」

「そうだな」

「………」

「……………ん？」

「今自分で認めましたね」

「やっ! 違う!! それはっ…!!」

「人の話をちゃんと聞かないからですよ。大丈夫です。バッチリ録音したので、いつでも好きな時にリピートできますよ」

「やめろぉお!! お願いだやめてくれ!!!」

やっぱりコイツはドSだ。完全なドSだ。

～冥界の主観察日記～

･冥界さんはよく人の話を聞かない

「悪かった!! 私が悪かったからさっきの消してぇええ!」