お買い物。 ページ6
次の日の朝。
いつもより早く起きた私は、いつも体に巻きつけている縄を一回でちゃんと巻けて機嫌がよかった。
「よーし お前の日用品でも買いに行くか」
私は伸びをして後ろにいる少年に話しかけた
「やる気まんまんですね」
少年はなんだかだるそうだった。
「若いくせにだるそうにするな!ほらほら行くぞ!!」
「そう言えば冥界さん、おいくつn」
「よーしっ!お店まで競争だ!!」
このままだと言い逃れない質問をふっかけてくると思い、慌てて家を飛び出した。
「ハァ…着いたぞ!」
目の前には『商店街』と書かれた看板が立っていた。
「冥界に商店街なんてあるんですね」
あんなに走ったのに少年はちゃんとついてきたようだ。しかも息切れしてないと言う。
やっぱり若いもんにはかなわん…
少年に構わずズカズカと進んでいく。
そして、とある古いお店の前で立ち止まった
「こめ…や? 」
ボロボロだが確かにそう書いてあった。
「そうだ 私は食べなくても生きていけるがお前はダメだろ」
「もともと死んでるのでh」
「すいませーん 誰かいますかー」
お店の中はシーンとしていて、人の気配がない。それどころか商品すらなかった。
「おいおい…しばらく見ないうちに潰れちゃったか??」
「冥界さん…あれ」
そう言って少年は店の隅を指さした。
そこには米が一袋転がっていて、1羽のスズメが袋の破れたところから米を突っついていた。
「なっ!最後の米を!!」
「え、あれを買うんですか?スズメが突っついた後のやつは衛生的にあれじゃ…」
そう言って少年は少し引いていた。
いやいや買わないよ!?冥界さんだって汚いって思うよ!?
私はまだこちらに気付かないスズメに向かって声を張り上げた。
「おーい 店やる気あんのかー!? 最後の米まで食うなー!!」
するとスズメはようやくこちらに気がつき、慌てて飛び出そうとしたが、窓ガラスにぶつかって落ちてしまった。
床に落ちたスズメはしばらく目を回していたが、その姿はやがて人間へと変わっていった。
「うぅ〜…」
いつの間にかスズメは居なくなり、代わりに優しそうな女の子がたっていた。
頭から血が出てるがスルーしよう。
「自分の店の物食べてどうするんだよ」
「お腹がすいてたので つい」
「店のもの全部食ったのかスゲーなおい!!お前の胃袋はブラックホールか!!」
なんの悪気も見せずにテへペロをしている彼女とは昔からの知り合いである。
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黒猫柚月(プロフ) - 少年君、面白いです! (2016年5月26日 21時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜アルペジオ(プロフ) - たのしみにしてます!! (2016年2月26日 17時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
白桜 - とても面白いです!いつも読ませてもらってます。 (2016年2月11日 20時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - おもしろかったです!よかったら私の作品 見てください (2016年2月10日 15時) (レス) id: d722fb9a07 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - ヘモグロビンさん» いえいえ。ありがとうございます。 (2015年12月25日 20時) (レス) id: a1946caf5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でんでんむしの奇行種 x他2人 | 作成日時:2015年3月7日 20時