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廉ルート【 1 】廉side─ 2 ページ28

眠れない

優太のイビキがうるさいせいや、そうに違いない

ゴロゴロ寝返りを打っていれば、側に人の気配

『………廉くん、起きてる？』

── Aちゃんも眠れへんみたいや

「……どしたん？眠れへんの？」

見れば分かるけど、問うてみる

そら眠れへんやろうな
あれだけの事があったわけやし

わざわざここに来たってことは、何か言いたい事があるんやろ

話を聞けば、さっきグダグダやったから、改めてお礼を言いたい、と

俺らが傷つくの見てるのはシンドイ、と

だから私も頑張る、と

涙目で決意表明しよった

正直、そう簡単にどうにかなるもんやあれへん
俺らみたいに進んで魔物退治してる方が珍しうて、ほとんどのヤツは怯えてるだけや

まして、こんな何もかも初めてです、みたいな女の子には荷が重いはずやのに

なんで、そこまでするん？

でも、真っ直ぐな瞳を見とったら、本当に出来そうな気もしてまうねんなぁ

この子は、思っとったよりずっと芯の強い子なのかもしれへん

俄然、興味が湧いてきた

ニヤリと笑って
「期待してんで、A」

と、言ってやれば、

『任せて、" 廉 " 』

一瞬驚いた顔をして、Aも笑って返す

初めて心からの笑顔を見た気ぃするわ

人のこと言われへんけどな

ほんまに、これからが楽しみや