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第3話。 ページ41

「渡辺さん…」

あれから数十分経った後、彼女がいる寝室のドアを開けた。

「……」

返事がない。

やっぱり怒ってるよな…?

「ごめん俺、なんかイライラしてて…」

そういって俺は座り込んでいる彼女の肩に触れる。

すると彼女はびくりと反応し俺の方を向いた。

「…わり、驚かせ…」

「ご、ご、ごめんなさいっ!」

俺の言葉を遮り彼女がやっと言葉にしたのは謝罪だった。

「ごめんなさい…」

頭を床につけ懸命に俺に許しをこう彼女。

「わ、渡辺さん…?」

なんだよこれ…

「ごめんなさいっごめんなさい…ごめんなさい…」

なんなんだよこれ!

肩を振るわせてただただ謝り続ける彼女。

俺はその行動に驚いて言葉が出ない。

「悪いのは私です…ごめんなさいぃぃ…」

最初はその行動が理解できなかった。

でも、

「…顔あげて…」

やっと出た言葉で近づき彼女に触れると、

「もうしません…だから…殴らないで…」

そう言った彼女の言葉で全てを理解した。




あぁ…。

俺はなんて事をしてしまったんだろう。

今ので全てわかってしまった。

君はだからお兄さんたちに怯えていたのか…。

こんなに小さくて華奢な女の子に毎日毎日…。

ずっと1人で耐えて泣いて。



「ごめんなさい……」



なんで君は何も悪くないのに謝り続けるんだよ。

それが唯一自分を守るための言葉なのか?



「もう謝るな…ごめん、2度とこんな事させないから…」

俺はそう言って彼女を抱きしめた。

ほら彼女はこんなにも小さい。

震える体も声もこんなにも小さい。



「だから…お願いだからもう泣かないで…」



もう揺らがない。



俺は君だけがいればいい。



君がいうように俺の人生がめちゃくちゃになろうとどうだっていい。



ただ君が隣にいてくれるならそれだけで…



充分だ。

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kitty(プロフ) - コメント失礼致します。続編のパスワードを教えていただきたいのですがよろしいでしょうか? (2021年3月1日 2時) (レス) id: ec02268633 (このIDを非表示/違反報告)
ツミキ(プロフ) - こんにちは!コメント失礼します!続編のパスワードをお伺しでもよろしいでしょうか! (2021年2月20日 21時) (レス) id: 38aa17f1c1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!よろしければ続編のパスワード教えていただきたいです!よろしくお願いします。 (2021年2月20日 8時) (レス) id: 69753dea94 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - こんにちは、コメント失礼致します。いつも作品楽しく読ませて頂いております。もしよろしければ続編のパスワードの方お伺いしてもよろしいでしょうか?よろしくお願い致します。 (2021年2月15日 7時) (レス) id: ad7059f36c (このIDを非表示/違反報告)
あられ@帝国民(プロフ) - コメント失礼します!続きがすごい気になるお話でした!!もし主様がよろしければ、続編のパスワードを教えて頂きたいです!よろしくお願いいたします! (2021年2月14日 14時) (レス) id: dc7474ee4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりあ | 作成日時:2019年6月4日 4時

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