【鬼滅の刃】氷雪は降り積もる【不死川実弥】

第8話 ページ9

その日を境に、コイツは俺の事を覚えた。
しばらくすると御館様からお呼びがかかる。


産「あの日はありがとう、実弥。助かったよ、Aはなかなか寝てくれなくてね」
実「いえ、お役に立てて何よりです」
産「………まだこれは、行冥にしか話してない事なんだけどね。Aの家はちょっと変わった家系なんだ」


尼宮の家は代々雪柱を輩出する家系であり、鬼殺隊結成時から御館様に仕えているらしい。
そして何より、みな短命だ。
雪柱を務めたものは、二十五を迎える前に死ぬ。
それは御館様でさえ、知らなかった。
尼宮の人間が誰一人として答えないそうだ。


実「尼宮は…女であることを大変気にしていました。それは何故でしょうか」
産「ああ、尼宮家はいつも、第一子は男児しか生まれなかったからだよ。男児しか生まれなかったのに、何故かAが生まれた。だからAは男児として育てられたんだ。それに、雪柱を継げるのは尼宮家の男児だけだったからね」


だから気にしてんのかよ。


産「性別関係なく、Aは強いよ。Aは異例の形で柱になった子だから、色々時にしていると思うけど仲良くしてやってあげてくれ。何せ両親を早くに亡くしているのもあって、人との接し方に不器用な子だから、よろしくね」


アイツも、両親を…。


実「御意」


話を終え、部屋を出た俺は稽古場へと早歩きで向かう。
なんだ、なんだ、なんだ、なんなんだ！！！！


実「なんだ、そりゃあァ！！！」
モブ「！？！？」
実「女からなんだ！！早死するからなんだ！！てめぇはてめぇだろうがァ！！！悲観的になってんじゃねぇぞ！！！くそがァ！！！」
モブ「か、風柱様、どうされたんだ？」
モブ「さ、さぁ…？」
悲「どうした、不死川」


俺の怒号を聞いてか、
悲鳴嶼さんが声をかけてくれた。


悲「尼宮の事を御館様から聞いたのか？」
実「俺はアイツを、認めたくても認めきれねぇ…！！」
悲「出会った頃から尼宮はああだった。そして、アイツは強い」


悲鳴嶼さんが認めるほど、だと？


悲「尼宮は不器用だが、ちゃんと応えてくれるいい子だ」
実「……御館様にも、同じこと言われました」
悲「なら間違いないだろう。あと、叫ぶならもう少し人のいない所の方がいい」


は？


『うるさい』


そこには悲鳴嶼さんの後ろから顔を出す尼宮がいた。
いつからそこにいやがった……！！！！


悲「本人が聞いてるやもしれないからな」


言うのが遅いですよ、悲鳴嶼さん……！！！！

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