【鬼滅の刃】氷雪は降り積もる【不死川実弥】

第6話 ページ7

そいつは真っ白なやつだった。
柱合会議に殆ど顔を見せない奴で、
いつか切り刻んでやろうと思ってた。
そんな奴が初めて会議に来た時は


『？…始まってた…』
産「やあ、A。来てくれたみたいで、嬉しいよ」
実「てめぇが尼宮Aかァ……」
『…』


無視！！！！


宇「お前、無視されてるじゃねぇか！不死川ァ！」
実「っ…てめぇ、無視とはいい度胸じゃねぇかァ…。切り刻まれる覚悟はあるだろうなァ……」
『？…ああ、いたんだ』


いたんだ、だと…！！
俺が刀を抜こうと決めた瞬間


実「…！！」


そいつは俺よりも早く、俺の柄頭を押さえていた。
抜けねぇ……！！


煉「よもや、あの一瞬で距離をつめるか…」
『御館様の前で抜刀？ふざけてるのか？それとも、隊士同士の喧嘩は御法度なのを忘れた？』


俺は刀を掴む手を離し、拳を握りしめた。


実「なら、歯ァ食いしばれ…！！！」


拳をぶつけてやろうとした


義「不死川、(Aさんに打撃は通用しないから)やめておけ」
実「ぁあ"！？…！！」


そいつは俺の勢いを利用して後ろに飛んでいた。


し「まあ、身軽なんですね」
産「A、喧嘩はダメだよ。仲良くしなきゃ」
『……これと？』
産「実弥ともだけど、みんなとだ。Aは物分りいい子だよね？」
『……分かりました』


御館様がそう言えば、
仕方ないと言いたげな顔で頷いて下がる。


産「うん、いい子だ。早く寝なさい。何日寝てないんだい？」
『まだ四日です』


人間の限界不眠状態は十一日って聞いてる。
記憶力、判断力の低下から始まって、四日目に入ると苛立ちが生じる。
こいつは今、苛立ったり判断力が低下してるようには見えねぇな…？


産「じゃあ実弥。Aを寝室に連れて行って、寝かせてくれないかな？」
実「…！？」
産「頼めるかい？」


御館様の頼みを断れるわけがない。


実「分かりました。おい、来い」
蜜(不死川さん、何やかんや連れてってあげるのね、優しくて素敵だわ♡)


腕を掴み引けば、とてつもなく細い腕。
コイツの自室へと向かった。


実「それでも男かよ、もっと食え」
『うるさい』


部屋に着けば布団が敷いてあるものの、
使った痕跡が見られない。
本当に寝てねぇな、こいつ。


実「寝ろ」
『やだ』
実「はあ！？ガキかてめぇはァ！」
『ガキじゃない、二十は超えてる。それに、寝てる暇があるなら鬼を斬る』


俺はこの目を知っている。
鬼を嫌う目だ。
そして、自分を嫌う目。

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