18日目 ページ18
「……しげちゃん先輩」
「んー?」
「ほん…………っと!鈍いっすね!!」
「え?」
机をバンっと叩き前のめりに顔を近づけてくる前野ちゃんに、なぜか怒られる私。
なぜだ。
興奮さめやまぬ前野ちゃんを制しつつお冷やを頼む。
「たまたま会ったからってそんな簡単に傘貸してくれる人そうそういないですって!しまいにはそのままあげますって……漫画の世界ですか?漫画のイケメンキャラですか?藤井さん!」
「おお、ちょっと落ち着こうか前野ちゃん」
「しげちゃん先輩も先輩です!そんな無防備に相合い傘なんて誘って!」
「えぇ…私が悪いん?」
なぜか前野ちゃんに怒られてる私。
だって駅で私に貸して、藤井さんが走って帰りそうな雰囲気やったから…考えぬいての相合い傘やったんやけどなぁ
確かに、提案した後の藤井さんから返事出るまでに少し間はあったけど……ほんまは嫌やったんかなぁ?
「とにかく!しげちゃん先輩はもっと自分の容姿に気づくこと!無防備すぎですぅ!」
「?……はぁい」
容姿に気付くって何?
これ以上自分が不細工なことに自覚を持てと?
目の前で気持ち悪くなっている前野ちゃんにお冷やを渡しつつ、頭の中で考える。
しばらくして、本格的に前野ちゃんが寝始めようとしたので慌ててタクシーを呼んでもらった。
「前野ちゃん、お迎えきたよー帰るよー」
「ん゛ん〜…」
「いくら前野ちゃんでも、重たっ…」
細い前野ちゃんでも身長は自分より少しだが高いわけで、更にいえば、半分寝かけている状態の人間は重い。
半分引きずるようにお店を出て、タクシーに乗り込ませる。
運転手に前野ちゃんの自宅近くのコンビニを告げ
「前野ちゃん!」
「いっ…あれ?しげちゃん先輩?」
「タクシー呼んだから。気をつけて帰るんよ?」
「んぇ?あ、はーい…」
「ほんま大丈夫なん?…すみませんお待たせして、よろしくお願いします。前野ちゃん次の月曜日ね!おやすみー」
「あ、おやすみなさーい!」
タクシーを見送り、自分も酔い覚ましにと歩いて帰る。
無防備かぁ…
「はぁ…」
「重岡さん!」
「……藤井さん」
まさかの悩みの種登場。
「遅い帰りですね、仕事終わりですか?」
「いや、明日土曜なんで後輩ちゃんと飲んでて。藤井さんこそ仕事終わりですか?」
「実は俺も先輩と飲んでてその帰りです」
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苺(プロフ) - れいさん» こちらこそありがとうございます!久しぶりになって申し訳ないです(^-^; (2020年7月25日 23時) (レス) id: c0040dafb0 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 久しぶりの更新とても嬉しいです!ありがとうございます!大好きなお話なので続き楽しみにしてます! (2020年7月25日 20時) (レス) id: 48223a5e99 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - ぽむさん» アドバイスありがとうございます!表記させてもらいます! (2019年8月6日 20時) (レス) id: 735bd56603 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ - キャプションや、キーワードタグどちらでもいいので「ジャニーズWEST」と表記して頂きたいです。凄く素敵なお話なので、皆さんにもっと読んで頂きたいです。 (2019年8月5日 15時) (レス) id: cb2febcbe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺 | 作成日時:2019年3月29日 14時