「偽友情のダイイングメッセージ」後日談 ページ33
探偵社の扉が、カチャ、と音をたてて開いた。扉を開けたのは懐かしい顔ぶれの二人。長船景虎と公由冬雪だ。二人は別任務で長期間外に出ていたのだ。
「た、ただいま戻りました……」
「今戻った」
「おぉ! 二人ともお帰りなさい! 今ですね、月君が廣瀬君の入社パーティーに旅館を使いたいって駄々をこねてまして、不動君が経費で落として良いかって言ったので、美影君が社長に電話しているところなんですよ!」
東雲が公由と長船の二人に駆け寄り、早口で今の状況を説明した。公由と長船は顔を見合わせる。二人とも顔が引きつっている。
「す、すごいですね…」
「お、おう…」
耳を澄ますと様々な事を喋る声が聞こえる。
「イヤじゃイヤじゃ! 旅館で酒盛りするのじゃ! 旅館じゃないとイヤじゃ!!」
「わ、判りました。経費で落として良いか美影が社長に電話してますから…!」
「お、酒盛り良いねぇ〜。不動ちゃん、アタシも旅館に一票!」
「酒盛りは迷惑にならんようにな黒江!」
「それは君もじゃあないかな? 不動君」
「何だと!?」
「しー、もしもし社長。美影です。御無沙汰しております。今回も月詠の姐さんが旅館で入社パーティーをしたいと言いまして、経費で落として良いかと思ったので。……はい。ありがとうございます。
経費で落として良いって!」
「…あの、入社パーティーはすること前提なんですか?」
「あたりまえじゃろう?」
探偵社の会話を聞いて東雲の言ったことが正しいと理解した二人。そもそも、東雲は嘘を吐くことが出来ない正直者。嘘を吐くなんてありえない。
「あの少年が廣瀬?」
「そうですよ! 廣瀬君!」
東雲が廣瀬を呼ぶと、ピャァッ、と声を上げてビクリと肩を震わせた。
「な、何ですか…?」
「紹介します。此方が廣瀬君! ほら、挨拶してください!」
「え、あの…、ひ、廣瀬丐です……。宜しくお願いします……」
人見知りの廣瀬はビクビクと小刻みに震えながら頭を下げて自己紹介をした。少し頭を上げて二人の顔色を伺う。
「俺は長船景虎。好きな様に呼んで呉れや。宜しくな」
「わ、私は公由…冬雪、です。よ、宜しく…お願いします……」
長船は微笑んで、公由はオドオドと廣瀬の自己紹介に続いた。
「廣瀬君良くできましたぁ!!」
「や、やめてくだはい…噛んだ……」
わしゃわしゃ、と東雲は廣瀬の頭を撫でた。
「もう二人は仲良しなのかい?」
「美影、仕事をしろ」
「はいはい」
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ラハル - アノさん» ありがとうございます!他の作者様の素敵な文に負けがちですが精一杯やらせていただきますのでよろしくお願いします!! (2017年3月5日 22時) (レス) id: a67c8f74a0 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - アノさん» お褒めに頂き光栄です(*´∀`) 更新遅れてますが頑張りますね(^o^ゞ (2017年2月24日 20時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
アノ - 凄く楽しく見せてもらっています!凄くこの作品好きなので更新頑張って下さい!応援しています! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 09388b2c82 (このIDを非表示/違反報告)
ラ八ル(プロフ) - 花園イリアさん» ありがとうございます!とても嬉しいです!これからも頑張るので宜しくお願いします!! (2016年11月25日 22時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» 有難う御座います! ご期待に添えるように頑張りますね(*´ω`*) (2016年11月22日 9時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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