前世の記憶を持った異能探偵！

２件目「偽友情のダイイングメッセージ」 ページ25

「……ご迷惑をお、おかけしました……」


廣瀬は医務室のベッドに座り、今聞いた事の顛末について謝っていた。


「いいってことだよ」


にこやかにそう返す美影に、不動は


『貴様にそんな大きい顔をする権利はないだろう……』


と視線で訴えかけていた。


「で、姐さん。事件の詳細を教えてくれるかい」
「ああ、無論だよ」


＊

「被害者は中村 花怜(なかむら かれん)。27歳、木更津の３丁目に住んでる」


黒江はホワイトボードをペンでコツコツ叩きながら言った。


「発見場所は近所の川辺。朝9時半に発見された」


そこまで聞き、廣瀬は「あの」と口を開いた。


「あのぉ……な、なんで僕も事件の概要を聞いてるんです……？」
「え」


その言葉に全員が顔を見合わせ……最終的に、美影に視線が集中した。


「忘れてたんですかー？」
「あっはっは……」


苦笑いを浮かべる美影に不動が殺気を醸し出したのは置いといて。


「お主、前世の記憶があるんじゃろう？」
「へ？」


こんなときも酒を片手にしている月がそう聞く。
廣瀬は頷いた。


「じゃあ入社じゃよ」
「はい！？」


思わず立ち上がった廣瀬に、黒江は笑った。


「続けていいかい？」
「ハイ」

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