147.不信感 ページ29
バクside
Aの掃除が終わってフォーが
次の掃除場所へと案内していった
俺は先ほど指摘された書類を再度見る
Aはこの書類をチラッと見ただけで
間違いを指摘した
確かに言われてみれば間違っているが
気にならない程度と言えばそれまでのような
細かいミス
バク「あいつは何者だ」
部屋に戻ってきたフォーにそういうと
フォーは興味なさそうにさぁと言った
バク「育ちがいいのか
それとも単に頭がいいのか」
俺は本部からAは小さな村出身で
教養などは受けていないと聞いている
ではどこで文字を覚えた
どこで教養を受けた
俺たちに対する敬語は
どうやって
いくら金持ちでいい暮らしを今までしていたからと言って
大人が書くような書類のミスに７歳の子供が
ふつう気づくはずがない
バク「Aは本当は
貴族の生まれとかではないのか？」
フォー「知らねぇよ
確かにAはガキらしくねぇ
どこか落ち着いてやがる」
本部はAを
一度も不思議に思ったことはないのだろうか
まだ対して一緒にいない俺でさえ
Aの子供らしからぬ言動に疑問を抱くというのに
フォー「ただのガキじゃねぇってことだけは
確かだろう」
バク「そうだな」
だからこそここには来てほしくなかったのだ
実験のことをどこまで知っているのか
ここにきて一体何を企んでいるのか
全くわからないから
バク「Aの言動に注意しろ」
フォー「言われなくたって
わかってるよ」
たかが７歳の子供に
俺はおかしなくらい恐怖心を抱いていた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーな | 作成日時：2020年1月23日 2時
