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表Aside
ファインダーから
私の陰口を聞いて
任務では仕事をさせてくれなくなって
それでも私が私で居られるのは
私のそばにいつも守ってくれるウィルたちが居たから
執着とも近いそんな感情を
私はいつごろから抱いていたんだろうか
ルベリエ長官との話から離脱して
私は早々に部屋へ帰ってベッドに潜り込んだ
ルベリエ長官の恐ろしい言葉が
頭の中でずっと木霊している
もし私付きのファインダーが変わってしまったら?
そしたら私は今みたいに
笑って生活できるの?
『いやだ、、、』
いやだ
こわい
私はまだ
ひとりになる覚悟なんて出来てない
ぎゅっと目を瞑った
このまま眠って
目を開けなければ
ひとりになる恐怖を感じずに済むのだろうか
このまま息が止まってしまえば
これ以上苦痛を感じなくて済むのだろうか
私はエクソシストとしては
なんの役にも立っていないんだもの
きっと私が居なくなったって
未来の結末は何も変わらない
千年伯爵とエクソシストの勝ち負けに
私が関わることはない
なんで
なんで私は
ここに居るんだろう、、、、
迷惑しかかけてないじゃない
ウィルたちには
痛い思いをさせて
ほかのファインダーには嫌われて
中央がわざわざ出しゃばって来て
室長たちを困らせて
あの日
私の街が襲われたとき
おじさんたちについて行けば
私にもきっと何かできることがあるんじゃないかって
役割も与えられず、狭い部屋の中に居た私にも何か出来るんじゃないかって
馬鹿みたいに期待したんだ
これでまた昔、愛情を向けてくれていた両親のように
誰かに好きになってもらえるって
私に笑いかけてくれて
さみしくないんだって
そんな腹黒い考えを持ってしまったからなのかな、、、
純粋にAKUMAを、千年伯爵を、ノアを
倒すって思いで入団していたら
もっと状況は変わっていたのだろうか
ひとりになりたくない
好かれたい
仲間として一緒に任務をこなしたい
そう思うのにだんだん日がたつにつれ
そんな思いが無駄だと言わんばかりに
感情がくすんで黒くなっていく気がする
『ファインダーのくせに、、、』
口から零れたその言葉は
ずっと私が心の奥底に押し込んでいた真実
言ってはいけない、思ってはいけないと
無意識に避けていた感情
そうか
私はもう
壊れ始めているんだ
.
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作者名:ゆーな | 作成日時:2020年8月4日 17時