検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:4,341 hit

朝の身支度____4 ページ15

.






異変に気付いたのは
早出で朝、出勤してきた先輩ヘルパーさんだった





「ねぇ、Aちゃん、、、
小林さんって亡くなったんだよね?」





『はい、夜中に』





珍しいことでもないのに
私に確認してくる先輩





なんでだろう





そう思ったのは一瞬で






私もすぐに異変に気付いた






ジャーーーーーーーーッ







水の流れる音だ







それも最近まで聞いていた



聞きなれた水の音








ここ半月くらいは聞いていなかったけど
これは確実に蛇口を全開にしたときに聞こえていた音で





その音は




小林さんの居た部屋から聞こえてきていた







『家族と一緒に
帰れなかったんでしょうか?』





「小林さんって
ゆっくり準備する人だったから
間に合わなかったんじゃない?」






驚いたのは最初だけで
その後は





私も先輩も
いたって冷静だった







そうか、、、まだ身支度できてなかったのかと





悲しいというより
懐かしい感じで






またこの音が聞けるなんて思っていなかったから
私も先輩も笑ってしまった





失礼なのかもしれないけど
小林さんらしい、と









ドアを開けて確認することもせず





私も先輩も起床介助に回り







朝食の時間になった時






ガァァァァンッ!!!






とドアが勢いよく開いたような音がした





でも実際は




小林さんの部屋のドアは
閉まっている







「小林さん!!
お家に帰らないとご飯無いよ!」





『家族の人がお家でご飯作って待ってるよ!』







私も先輩も姿なんて見えない






だけどきっと小林さんは
お腹を空かせて




ご飯を食べに出てきたはずで






私たちが声を掛けたからって
すんなりお家に帰るかなんてわからないし




実際、今どこにいるのかもわからない






でも








その日以降
部屋から水の音も、ドアの開く音も
することはなかった









きっと無事お家に帰ったんだと思う









魂を身近に感じる体験だった









.

朝の身支度____あとがき→←朝の身支度____3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:怪談 , 実体験 , ノンフィクション   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆーな(プロフ) - アヤさん» コメントありがとうございます!幽霊を見たっ!というような衝撃的な体験ではなかったのですが読んで鳥肌たってくれたならよかったです!!読んでくれてありがとうございました!! (2020年3月27日 4時) (レス) id: 2cd9b938bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - 一寸先はダークさん» コメントありがとうございます!霊感あるんですね!すごい、、、!そうですね〜、私の体験はいい出会いだと思います!怖いのは嫌ですけどこういう体験ならまたしてみたいです!ありがとうございました!! (2020年3月27日 4時) (レス) id: 2cd9b938bd (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - こっわ!鳥肌たった…!! (2020年3月27日 2時) (レス) id: ed6db2c07e (このIDを非表示/違反報告)
一寸先はダーク - いやぁ。自分霊感あるほうなんですけど、あんまりいい思いでなくって、作者さん、いい出会いと言うか、そうゆうのが多いんですね。良かったw。これからもおきをつけて。 (2020年3月27日 1時) (レス) id: a1a86ad9f2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆーな | 作成日時:2020年3月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。