唐突に怪談話したくなった【実体験】

朝の身支度＿＿＿＿３ ページ14

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小林さんが亡くなったのは
私が夜勤の時だった






今までにも
たくさんの利用者さんの最期を看取り



エンジェルケア
＝亡くなった利用者様の入浴や詰め物、着替え、化粧など


をしてきたけど






身内がみんな最後に立ち会えたのは
小林さんが初めてだったと思う




体を拭いてあげたり




死覇装に着替えをしたり
少しでも血色がよく見えるように化粧をしたり




スタッフも手伝いながら
家族全員でしてあげることができた





そしてきれいになって
送り出しをする






その時は家族によって
家に一旦一緒に帰る方と
そのまま葬儀場へ行く方といて






でも決まって言うのは





「やっとお家に帰れるね」




「頑張ったね」




「さぁ、帰ろうね」






と




魂が一緒に家族と帰れるように
みんなでお声掛けをする






そうしないと





留まってしまう方が居るからだ









「父はここをとても気に入っていました」




「今までありがとうございました」






そう言って泣きながらお礼を言って頂けて
私たちも泣きそうになりながら





お見送りをした






悲しくても



泣きたくても






家族が、利用者さんが
帰るまでは泣いたらダメ




だって私たちは職員で
最後までしっかり見送らないといけないんだから





最初、利用者さんの最後に立ち会ったときに
先輩のヘルパーに言われたことだった









泣かないようにお見送りをしたら
大抵のスタッフさんたちは泣いてしまう






みんな我慢して
泣かないようにしてるから





とてもやさしくて、利用者さん思いの
スタッフさんたちばかりで





いつも心が温かくなる









小林さんが帰った後のベッドを片付けて
私たちはまた通常業務に戻る









利用者さんが亡くなると
通常業務が遅れてしまうため




私たちは朝まで
バタバタと仕事をしていた








そして、朝








起床介助に動き回る
鬼の時間が始まる









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