傍観者でいたかった【D.Gray-man】5

198.誤解 ページ38

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変な時間に寝たせいか
夜になって目が覚めた




再度寝ようとしたけど目がさえて
寝付けそうになかったため
散歩でもしようと部屋を出る





今はもう深夜な為
普段人が多い通路もシンと
静まり返っている





トボトボと歩いていると
窓の外に大きな満月か見えて
思わず足を止めて見とれてしまう





最近はずっと平和だったのに
空をこんな風にゆっくり見たのは
初めてかもしれない





ティキに
会ってしまった






ずっと怖かった
会うことが




そして会ってやっぱり私は
彼に敵意を向けることも
武器を向けることもできなくて




こんなんでみんなを守れるわけがないって
惨めになる





「リナ、、、？」




背後から声が聞こえた
この声は神田だろうか、、、？




振り向くと私服の神田と目が合う





神「Aだったのか」




『あ、、、そっか、、、髪、、、』





髪を上げるのを忘れていた




今はリナリーのように
髪を下した状態で



しかも夜なら
神田でもさすがに後ろ姿で判別はできないだろう





『こんな時間にどうしたの？』




神「お前こそ病み上がりの癖に
こんな時間に何してる」




う〜ん、、、やさしいんだけどね

言葉遣いがね、、、




『目がさえて、、散歩
心配しなくても体はもう平気だから』





神田「そうか」





ささっと話して
すぐに帰るかと思ったけど
なぜか壁にもたれ掛かってしまった神田




ん？



私に何か話でもあるんだろうか




私より強くなると言って以降
私に近寄らなくなった神田




距離を取りたかったから
私には都合がよかったんだけど




それなのに
今はなぜ？！？！




『、、、、、』




神「、、、、、」





居心地の悪い沈黙が流れ数分




私、帰ろうかなと思った時
ようやく神田が口を開いた






神「今回倒れたのは
イノセンスのせいか？」





『、、、、、え？』





まさかの質問に
妙な声が出た





神「この前コムイから聞いた
お前、イノセンスを２つ持ってて
両方寄生型だから普通の奴より短命だろうってな」




一体どーいう流れで
そういう話をしたんだろうか





わかんないけど
誤解をしているようだから
そこだけは訂正しておこう




『今回のはイノセンスは関係ない

確かに最近ちゃんと寝たのに
イノセンスを使った後に眠くなったりはするけど

まだ私は大丈夫』




神「、、、、、そうか」





ほっとした神田の顔を
私はこの時初めて見た









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