そんなだから皆に愛されるんですよ 【冨岡義勇】

#6 手と手 ページ9

｢準備はできたか｣



『はい！問題ありませんよ 』




｢よし、いくぞ｣









今日はこれから任務！






というわけでもなく
ちょっとした買い出しに行く


夕餉のための鮭やら大根やら
その他色々と買い込まないといけない





私にとってはこんな買い出しですら
逢い引きに感じてしまうのだけれど







『 なんだか逢い引きしている気分です』



｢それも悪くないな｣


『 じゃあ買い出ししたらお出かけしましょう！』


｢荷物を置いてからな｣






訂正、ちゃんとした逢い引きになるようだ









『 ふぅ、割と買いましたね』



｢俺が持つ｣



『いやいや。私とて鬼殺隊ですからこれくらいは 』



｢俺が持つ｣





こういう時の義勇さんは頑固で聞かない

まぁ錆兎さんや炭治郎くんもだけど






『 じゃあ…半分こ』


｢駄目だ｣






『むっ…半分こしたら義勇さんと手を繋げるのに 』



｢それはいいから、荷物をかせ｣




『 えええええ』









『手…繋ぎたかった 』

小声で言ったから聞こえてないだろうけど
正直さっきから私は機嫌が悪い


この後の逢い引きですら少し怒ったままかもしれないくらい





｢それで、どこへ行く｣



『 適当に…ぶらつけば良いでしょう』



｢そうか

なら喫茶店にでも行くか｣


『 はい』









｢ほら｣



『 ん…？手なんか差し出してどうしました？
私犬じゃないのでお手とかは』




｢手、繋ぐんだろう｣





『 え、あ、良いんですか』



｢嫌な訳ないだろう
さっきは早急に帰りたかったし繋げなかった｣


『早急に？ 』



｢逢瀬の時間を減らしてどうする｣



『 ！』




毎回の事だがこういうことをさらっと
言ってのけるあたり天然なところがあるんだろうな

うん、そこも好き







『じゃあ遠慮なく… 』



｢小さいな｣


『義勇さんが大きいんですよ 』









ちゃんと恋人繋ぎしました
優しい手だったな。







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