そんなだから皆に愛されるんですよ 【冨岡義勇】

#30 嘘の日 ページ36

宇｢なぁ冨岡｣


｢なんだ｣


宇｢今日って何の日か知ってるか｣


｢今日か。不死川が俺に対して怒鳴った回数が500を超えたな｣


宇｢いやちげーよ。ってかそんなんいちいち数えてんのかお前｣


｢冗談だ｣


宇｢おっそれよそれ！何だ、知ってたんだな
今日が嘘をついても良い日だって｣


｢そんな日があるのか。しかし嘘だとしても
限度があるだろうに大丈夫なのか？｣


宇｢お前今の素で言った冗談かよ…｣









｢A、帰ったぞ｣


『 あ、おかえりなさい！
ごめんなさい義勇さん。買い出し頼んじゃって』


｢気にしなくていい。それより…｣


『はい？ 』


｢今日は鮭大根の気分じゃないし、昼も外で食べてきたから用意しなくてもいい｣


『 え…』





こんなものだろうか。宇髄になんでもいいから嘘をついてみろと言われたが、よくわからない

しかし、突拍子も無い嘘だと見抜かれる。俺らしいような嘘だとこのくらいしか思いつかなかった




『 義勇さん…』


｢どうした｣


心做しか元気が無いように見える
まさか、今の嘘で傷付けてしまったのだろうか




｢い、今のは｣


『 買ってきた物の中に鮭大根の材料入ってますよ…。あと昼食べたって言いましたけどまだ10時半です。行き付けの食堂って丁度始めた頃合いじゃないですかね』


｢！！！｣


『嘘つくならもっと上手にしないとですね 』


｢知っていたのか｣


『勿論。えいぷりるふーるって言うんですよ 』


｢俺は今朝宇髄から聞いた｣








『んー…じゃあ義勇さんが嘘ついた罰として今日は一緒にご飯食べてあげません！ 』


｢なっ！？何故だ！｣


『 何故って…いくら嘘ついていいからって
そんな嘘酷いんですもん』


｢す、すまなかった！俺はAと一緒に食べるのが楽しみなんだ。許してくれ｣









『 まぁ、嘘ですけど』





｢なんだと｣





『嘘なんて慣れないことするからですよ
あと義勇さんわかりやすいですからね。炭治郎くんほどじゃないですけど 』


｢無表情で何を考えてるのかわからないと言われるが｣


『 少なくとも私や錆兎くんなら丸わかりですね』


｢…もう嘘つくのはやめる｣


『 そうしましょう』









エイプリルフールってしのぶさんがただただ強そうな日って感じがする







*

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