エピローグ。１ ページ36
横山side
経営してる警備保障会社の社長室。
目の前のソファで、
相葉ちゃんが、
未提出の婚姻届と離婚届を、
ビリビリと破り捨てた。
「ついにミッションコンプリート。
ヨコ、どうなの？
Aを手に入れた感想は。
完全無欠に幸せ？」
身を乗り出して、
ひゃっひゃって笑う顔は、
ええ人そのもん。
こいつがプロの結婚詐欺師やて見抜けるヤツ、
そうそうおらんで。
「いや、まだまだ」
答えた時、ドアがノックされて、
「横山社長、お疲れ様です」
うちの社員の北野くんが、
汗を拭き拭き入って来た。
色白で、肥満気味の北野くんには、
普段はボディーガードや警備員やなくて、
事務をやってもらってるねんけど。
今回は活躍してもろた。
「ご苦労さん。
お陰で助かったわ。
これ、特別ボーナスや」
「ありがとうございます」
札の入った封筒に満足したんか、
北野くんは、ひひっと、下品な笑みを漏らす。
真っ白な贅肉に埋もれた、
形のええ目鼻口。
不気味なストーカーの役、
見事に演じてくれたわ。
「今日はもう上がってええで」
「お疲れ様でした。
失礼します」
巨体を揺らしながら、
北野くんが部屋を出て行く。
ドアがパタンと閉まった。
「北野くん、痩せればイケメンなのに、
もったいないねーな」
タバコの煙とともに、
相葉ちゃんが何気なく吐き出したんは、
かつての俺が言われ続けた言葉。
「痩せてても太ってても、
中身はおんなじや」
「ま、そうなんだけどさ。
こんな事してまで、
復讐してどうすんの？
Aから金取るわけでもないんだろ？
ま、俺は慰謝料もらったし、
数回とはいえ、
いい思いさせてもらったけどさあ。
ヨコになんのメリットあんの？」
相葉ちゃんは、なんも分かってへん。
「決まってるやろ。
Aを心から愛してるから、
誰よりそばにおりたいだけ」
「は？
こんなまわりくどいことしなくても、
普通に口説けば良かったんじゃね？
ヨコにならすぐになびいたはずじゃん」
「それやったら意味ないねん。
Aから何もかも奪ってからやないと」
「けどさあ、俺のお古でいいわ、」
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みき(プロフ) - 完全な罪。をちょうど先週読み返させて貰ったところで、更新通知があったので今日も読ませて貰いました！こういうお話もけっこう好きです(//∇//)なので、もし良かったらまたこういうお話も書いて頂けたら嬉しいです。 (2020年12月3日 1時) (
レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完全な罪。も好きなお話です！公開して下さり、ありがとうございます！foolさんの小説は本当にどれも好きなものばかりで、毎回楽しみです！！ (2019年9月20日 21時) (レス) id: ad46af1069 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - こういうタイプのお話好きです(*^^*) また機会があったらお願いしたいくらいです 完全な罪も素敵でした、ありがとうございました♪ (2019年9月20日 1時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - ボディーガード、この手のタイプの人はホントに怖いと思います…面白いお話でした、ありがとうございました♪ (2019年5月19日 15時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - コメントする前にどんどん新しいお話が！全部主人公の妄想だったのかー！こわい！倉安の今後が気になるお話☆十祭のエイトレンジャーのブラックヤスくんを思い出しました笑 (2019年5月17日 13時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年4月25日 17時
