Story__8 ページ10
大きく息を吸い、吐き出す。
殺されないだろうか、と洒落にならないことを考えながらノックをした。
…
廊下を渡っているとシャルナークがいた。
「お、マオ…と、A」
「…俺は付け足しか」
無意識に言ってしまうと、愛想笑いが返ってきた。
「あ、二人ともゲームしない?
これからフィンクスの部屋でやるんだけど」
「ゲーム!?……えっと、したいけど…」
不安そうにチラと、こちらを見る。
ゲームもしたいが、約束したからなのだろう。断りかけていた。
「本は見せるから。
…ゲーム、楽しんでくれば」
「ありがとう!」
一瞬でキラキラと輝く瞳になり、マオははにかんだ。
じゃあ、と手を振り去っていく二人を見届けた。
…よく考えてみると、これはいけなかったのかもしれない。
二回ノックをして名前を言えば、はいていいよと返事が返ってきた。
そして、そのまま警戒することなく入った私が馬鹿だったのだ。
足元に糸が張っていたのである。
当然気づかなかった私は躓き、体制を崩して頭を打った。
「った…」
「くく…いいザマね」
頭上から笑い声が聞こえる。
頭を擦りながら膝をつき、彼を睨みつけた。
「お前、ってさぁ…」
「見てないのが悪いね」
「性格悪すぎ…」
「私、お前の事信用してないから糸張たけど、逆にお前は警戒してなさすぎよ」
…つまり、既に来ることが分かっていたのか。
分かっていたが、フェイタンは黒だった。
ここへ来た目的を忘れる前に、彼に持っていた本を見せる。
「念の為聞くが…これはフェイタンの本で、間違いないな?」
そう聞くと、彼は珍しく驚いた表情をした。
探していたのだろうか、なんて考える。
「そうよ…お前、なんで持てるか」
「向こうに置きっぱなしだったんだ。
それで、その…借りていいか?」
「別にいいよ。かてに読むね」
「…ありがとう」
意外とすんなり貸してくれた彼に有難く思う。
じゃあ、とそのまま部屋を出ようとするとA、と呼び止められた。
「マオは、どこね」
フィンクスの部屋だと伝えるとそか、と彼は返事した。
…少し、彼女は愛されすぎている気がする。
…
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のばら(プロフ) - 名無しさん» いえいえ。これからも応援してます!頑張ってください。 (2018年7月2日 18時) (レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - のばらさん» 初めまして、コメントありがとうございます。先程表記ミスの話を修正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2018年7月2日 1時) (レス) id: 3c8a0d7009 (このIDを非表示/違反報告)
のばら(プロフ) - 初めまして。この作品とても面白いです。けど、途中からマオちゃんの名前が(美少女)という風に表示されていて、直して欲しいなって思っています(・_・; (2018年7月1日 21時) (レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2018年4月12日 1時