決戦の地へ。02 ページ36
「色々、考えてました」
Aの答えにイゾウは苦笑し、そうかいと相槌を打った。モビーディック号の隣をそこそこ大きな魚が通り過ぎていく。それを横目で見ながら、Aは口を開いた。
「この戦いのこと、エースのこと……」
「まあそうだね、激戦になるだろうよ……だが、エースは取り返す」
大切な家族だからね。とイゾウは口元を上げて俺にウインクをする。つられるように俺も笑みを浮かべ、首を上下に動かした。俺が笑ったのを見てイゾウはAには笑顔が似合うよ、と言いながら俺の頭を撫でる。
「もうそろそろ作戦開始の時間だな。気をつけろよ、A」
「イゾウさんも気をつけて」
ヒラヒラと手を振り、イゾウは集まっている十六番隊の部下のもとへ歩いていく。その姿を見送ってからAもゆっくりと立ち上がり、マルコのもとへ足早に向かった。
もう後数分で作戦が開始される時間だ。モビーディック号の後方にいる傘下の海賊の船がゆっくりと海面に向けて上昇を始める。モビーディック号はもう少し先の海軍本部の湾内で海面に上がる予定だ。
心臓が破裂しそうなほど、ドクドクと脈を打つ。胸に手をあて、深呼吸を一回したが、それでも治まらない。
(この戦いが終わったら、エースに……)
海上が騒がしくなった。総勢四十三隻。エース奪還のために集まってくれた傘下の海賊たちだ。海軍が彼らに気を取られている隙にA達は一気に湾内に突き進む。丁度中央まで来たところで、徐々にモビーが上昇を始めた。
ザパァン、と勢いよく波を立てながら、海上へと飛び出す。明るくなった視界に俺は目を細めながら辺りを見回した。周囲一帯は海兵で囲まれ、海には軍艦がずらりと並んでいる。正面には、処刑台。
「エース……」
ボロボロになったエースを見て泣きそうになった。溢れ出しそうになる涙を唇を噛んで何とか止める。今はまだ、泣く時ではない。眉間にシワを寄せ、顔を引き締めた。
カツン、カツン――
お父さんが大きな薙刀を持ち、船首に立つ。大きなモビーの船首もお父さんが乗ると小さく見えた。
「グララララ……何十年ぶりだ？センゴク」
エースの隣にいる男――センゴクを睨みながら、お父さんは笑う。
「俺の愛する息子は、無事なんだろうな……！！」
「オヤジィ！！」
エースの悲痛な声がマリンフォードに響き渡った。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
