怒りと不安。01 ページ4
町は人気がなく、所々が荒っぽく破壊されており何かあったのは明らかだった。隣にいたエースと目配せして互いに頷きあう。
――ティーチがここにいる。
町の状況を見て、瞬時に理解できた。鼻につく鉄臭さに顔を顰める。ふと視線を斜め下へと下げると壊れた建物の脇で怯えた形相のままで仰向けに倒れている人がいた。
眉間に穴が一つ。恐らく逃げる間もなく殺されてしまったのだろう。
その人の傍に屈み、開いたままの目をそっと閉ざす。ティーチがここにこなければ死ぬこともなかった。Aは暫し目を閉じ黙祷してから立ち上がる。
「わり、待たせた」
周囲を警戒しているエースに簡単な謝罪をして駆け寄る。エースは気にすんなよと笑ってくれたが、その笑みはどこか硬い。こんなに酷い有様を目の前にしてへらへら笑っていられる程、Aもエースも腐ってはいない。気を引き締めて行かなければ、とぺちんと両頬を叩き、自分に喝をいれた。
(ぼんやりしてたらマルコ隊長に叱られるんだぞ！)
長らく会っていない一番隊隊長の顔を思い浮かべる。ああ、元気にしているだろうか。マルコの事だからいつも通り眉間にシワを寄せながら部下に的確な指示を飛ばしているに違いない。
お父さんは……ナースに止められても、お酒を飲んでいるんだろうなぁ。
早くあの温かい船へ帰りたい。俺はそんな事を考えながら足を動かす。小さな島だったが割りと町は大きい。ずらりと並んだ建物を見上げて俺はエースに声をかけた。
「上から探した方がいいんじゃないか？」
「そうだな。じゃあ頼むな」
頷いてドラゴンになり一気に上空へ舞い上がり、眼下に広がる町を見下ろした。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
