無力。02 ページ13
「相変わらずのあまちゃんだなァ、Aは……ムカつくぐらいなァ！！」
「がっ！？」
足を振られ、お腹を蹴り飛ばされた。踏ん張れずにそのまま仰向けに転がる。喉の奥から血が溢れ出し、口の中に鉄の味が広がる。独特の味に顔を顰め、荒い呼吸を繰り返した。
身体が動かない。限界も何もかも通り過ぎていた。
「俺を、つれて……きゃ、いいだろ……！！」
俺だって一億の首だ。億越えの首が欲しいなら、俺でもいいはずだ。エースは白ひげ海賊団の二番隊長で、皆が必要としているんだ。お父さんもマルコもジョズもビスタも、ルフィだって。数え切れない人達がエースを大切に思っているんだ。だから――。
連れていくな、連れて行かないでと、何度も繰り返す。
「エースを連れてきゃ俺の七武海入りは確実だ……Aじゃ力不足だ！」
笑って吐き捨てられた言葉に絶望した。ぐしゃぐしゃに顔を歪め、俺は嗚咽を漏らす。駄目だやめてよ、エースは俺の、俺の大切な人なんだ。心の中で言いたい言葉の羅列を並べる。
ティーチに言ったところで鼻で笑われるのが目に見えていたし、もう喋る力も残っていなかった。
出航するぞ！とティーチが仲間に声をかけた。気配が少しずつAから離れていくのを感じた。首を曲げ、遠ざかるエースの姿を目で追いかける。力なく担がれているエースに胸が痛む。
「エース……エース……！！」
離れていくのを見ていられなくて、声が枯れるのも構わず名前を叫んだ。血が零れる腕を伸ばす。当然つかめるわけなんてなくて、空を切る。
「エーーーースゥ！！」
俺の懸賞金がもっと高かったら、エースを助けれたのに。俺がもっと強かったら、エースを守れたのに。
手に入れた悪魔の力もこれじゃあ意味がない。守りたい人を守れなきゃ、何のための能力なんだ。
見えなくなったエースの姿に俺はただただ涙を流した。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
